アサンテ McCoy Tyner |
1960年代末から次第にアフリカ志向を強めたマッコイ・タイナーが、70年代に入って、アフリカ色を鮮明に打ち出す。ブルーノート最終となった本作品は、マイルストーン時代に突入する前とあって、そのサウンド・カラーが随所に聴かれ、アフリカの姿を想像出来る。 色彩感豊かなサウンドが繰り広げられる。全曲、マッコイのオリジナル。 1曲目の〈マリカ〉は、アフリカの雰囲気そのものです。マッコイのフルートと、パーカッション、バスター・ウィリアムズのアルコなどのイントロで始まり、コンガなどのリズムに乗り、ソンガイのスキャットとアンドリュウ・ホワイトのアルト・サックスがテーマを奏でる。ソロでは、ホワイトが情熱的に吹きまくり、ソンガイの澄み切った声が響き渡る。コンガのエムトゥーメが熱い熱いプレイ、そして、マッコイが力感溢れる演奏を繰り広げている。 youtube.com/watch?v=zM377T0eE2M 2曲目の〈アサンテ〉は、テッド・ダンバーのギターに、ウィリアムズのアルコ、ソンガイの歌声で始まる。マッコイは流動的なプレイ、アルト・サックスのホワイトは伸びやかなプレイが展開され、ソンガイの張りのある澄んだ歌声で締めている。 3曲目〈ゴーイン・ホーム〉は、ダンバーのギターとウィリアムズのベースのいいリズムの絡みから入り、そこへアルト・サックスのホワイトがテーマを奏でる。ベースのウィリアムズは野太い音を鳴り響かせ、ホワイトは速吹きプレイを、マッコイは疾走感溢れるプレイが展開される。 4曲目〈フルフィルメント〉は、ビリー・ハートのドラミングから、マッコイとホワイトがアップ・テンポのテーマを奏でる。マッコイのピアノはスピード感、叩き付けあり、大迫力のプレイを繰り広げ、ギターのダンバーは甘い音色で快調なプレイ、アルト・サックスのホワイトは豪快で力強い演奏。ウィリアムズが存在感のあるベース・プレイを示し、続くドラムのハートも強力なプレイを繰り広げています。 youtube.com/watch?v=nzGrH4UBLfI ここからはボーナス・トラックとして「コスモス」作品の中の1970年7月録音分から取り入れた曲です。 5曲目〈フォービィデン・ランド〉は、オーボエのイントロから始まります。魅力のあるテーマはオーボエ、ソプラノ・サックス、フルートという珍しい3管での演奏。フルートのヒューバート・ロウズは分厚い音色で流れるようなソロ、オーボエのホワイトは歯切れがよく澄み切ったソロ、続くソプラノ・サックスのゲイリー・バーツはのびのびと吹きまくる。マッコイは比較的速いテンポで、重量感溢れるプレイをしています。 youtube.com/watch?v=y57-0wi5_xo 6曲目の〈アジアン・ララバイ〉は、激しいドラムから、フルート、オーボエがさえずりながら、アルト・サックスのバーツがテーマを奏でる。バーツのソロはテンポよく流動感溢れるプレイ、マッコイは高速ピアノも交えながらエネルギッシュなソロ、ドラムのフレディ・ワイツは強烈な叩きまくるソロを展開している。 youtube.com/watch?v=Y_QFLJYx-Nk 7曲目〈ホープ〉は、ピアノ、ドラム演奏から、ゆっくりしたテンポで、フルート、オーボエ、アルト・サックスと続くメロディー。マッコイのピアノは小気味よく躍動感のあるソロ、続くアルト・サックスのバーツは激しいアドリブを聴かせる。ハービー・ルイスのベースは豊かな低音が響いてます。 youtube.com/watch?v=53L9AIOBf9I アサンテの商品詳細ページへ |
![]() Recorded. September 10, 1970. BlueNote. McCoy Tyner piano, wooden flute Andrew White alto sax Buster Williams bass Billy Hart drums Ted Dunbar guitar Mtume congas Songai vocals (on 1, 2) Recorded. July 21, 1970. BlueNote. McCoy Tyner piano Gary Bartz alto and soprano sax Hubert Laws flute, alto flute Andrew White oboe Herbie Lewis bass Freddie Waits drums, tympani, chimes 1. Malika 14:00 2. Asante 6:09 3. Goin' Home 7:37 4. Fulfillment 13:57 5. Forbidden Land 13:50 6. Asian Lullaby 8:30 7. Hope 14:14 |