グリーン・ストリート Grant Green   



   1960年代、ブルーノート・レーベルが積極的に売り出しをはかったグラント・グリーンの初期の代表作。グリーンの演奏は、テーマの部分はもちろん、アドリブ・パートに於いてもいわゆるコードをほとんど奏さない。あくまでもシングル・トーンを使って、ホーン楽器のようにメロディ・ラインを綴りあげてゆくのである。

又グリーンの音楽はファンキー・ジャズの楽しさに溢れており、そのグリーン独特の甘い音色と共に多くのファンを魅了しているのである。特にこの作品は、ベース、ドラムスだけを従えたシンプルなトリオ編成ということもあって、ユニークな彼の個性を充分に味わうことが出来るのである。

グリーンのオリジナル〈No.1グリーン・ストリート〉は、シンプルなブルース・テーマのあと、シングル・トーンでメロディックなアドリブを繰り広げてゆき、ソロが進むにつれて、同一フレーズを反復させる。又ベースのベン・タッカーのソロにもグリーンのギターが絡みつくなどが展開されていく。



続くセロニアス・モンクの超有名な〈ラウンド・アバウト・ミッドナイト〉は、バラード調のテーマから、アドリブに入るとデイヴ・ベイリーのブラッシュが、倍のテンポを刻みはじめる。あくまでも原曲の味を生かしながら、情感豊かにフレーズを綴ってゆくグリーンのプレイは素晴らしい。
youtube.com/watch?v=m7vhW6Pz4mg

4曲目の〈嫉妬の炎〉もグリーンのオリジナル。魅力的なテーマのあと、シングル・トーンによるグリーンの長いアドリブ・ソロが続く。トリオの3人が一体となって、快調なプレイが続けられてゆく。
youtube.com/watch?v=_4UHiWOeJYI

スタンダードの〈アローン・トゥゲザー〉では、ブルージーなイントロに導かれて、お馴染みのメロディーが奏でられる。パートでは原メロディーをところどころに散りばめながら、美しいフレーズを綴りあげてゆく。



グリーン・ストリートの商品詳細ページ

   

 Recorded. April 1, 1961. BlueNote.

 GRANT GREEN guitar
 BEN TUCKER bass
 DAVE BAILEY drums

 1. No.1 Green Street   7:18
 2. Round About Midnight   7:02
 3. Grant's Dimensions   7:54
 4. Green With Envy   9:44
 5. Alone Together   7:14