ホーカス・ポーカス / Steve Lacy  



  本作品の曲は、スティーヴ・レイシー自身のサックスの練習のために作られたという、演奏するのが難しいようにフレーズが作られています。演奏は、各フレーズが再三繰り返す反復フレーズを各テーマにしています。又表現豊かなアドリブと、はつらつとしたプレイで、心地良い演奏が聴かれます。なお、全曲、レイシーのオリジナル。

1曲目〈ヒューブリス〉は、澄み切った音色のソプラノ・サックスが軽快な各フレーズを3度繰り返すテーマ。ミディアム・テンポで、レイシーは気持ちよさそうに、柔らかなソプラノ・サックスが伸びやかな響きを聴かせ、流麗な演奏が冴えわたる。



2曲目〈ホールマーク〉、ソプラノ・サックスが4度繰り返す各フレーズはまろやかで透明感溢れる。ミディアム・テンポで適度な太さで鳴り、、優しく熱く縦横無尽なアドリブを展開している。
youtube.com/watch?v=CekQcpJ2thY

3曲目〈ハートルズ〉は、超アップ・テンポで、レイシーのスピード感溢れるプレイがずっと続く。切れ味鋭いソプラノ・サックスがスリリングで疾走感溢れるサウンドの中、メリハリのある力強い演奏は、凄まじいまでのダイナリズムを生み出している。



4曲目〈ハッスルズ〉、テーマは速いテンポで4度繰り返す高音フレーズ。ミディアム・テンポで、太く厚いソプラノ・サックスのソフトなブロウで、自由自在なアドリブを繰り広げています。
youtube.com/watch?v=she7lFcsisU

5曲目のタイトル曲〈ホーカス・ポーカス〉、軽やかに流れるソプラノ・サックスは歯切れよく響きわたる。比較的速いテンポで、柔らかい音色から豊かな表情を見せ、リズミカルなきびきびとしたプレイは、実に躍動感溢れる素晴らしい演奏です。
youtube.com/watch?v=X_cuvJXrfD4

6曲目〈いらいら〉は、滑らかな各フレーズを4度繰り返すテーマ。ふくよかな音色で、少しバイブレーション、野太い音など色彩感溢れるプレイを展開、ここでは音色、節回しなどのレイシーの良さが出ており、生き生きとした演奏を聴かせている。 

   

 Recorded. December 27 and 28, 1985.
 Les Disques du Crépuscule. 


 Steve Lacy soprano sax

 1. Hubris 6:32
 2. Hallmark 8:06
 3. Hurtles 5:56
 4. Hustles 8:45
 5. Hocus-Pocus 6:16
 6. The Heebie-Jeebies 5:55