Hooky / Steve Lacy |
スティーヴ・レイシーのソロ演奏の絶頂期とも云われる1976年、モントリオールでは初のソロ・コンサート・ライヴ。この時の模様は当時4曲のみLPで発売されるが、あとの曲はリリースされず未発表のままであった。(ちなみに、4曲は本作の2〜4曲目&6曲目にあたり、Quarkから他のセッションと合わせて「The
Woe/Crops」というタイトルで1979年に発売。)CD化にあたり、その時のライヴ録音されたタイトル曲の〈フーキー〉や〈タオ〉組曲などの未発表9曲含む全13曲を収録。全曲オリジナルで、レイシーのソプラノ・サックスの凄みをソロでじっくり味わえる。 1曲目〈ザ・クラスト〉、レイシーが気持ち良さそうに吹いています。伸びやかで澄み切ったソプラノ・サックスの音色が堪能できます。 2曲目〈クロップス〉、軽やかに流れるソプラノ・サックス、レイシーの次々と湧き出てくるかのようなアドリブ・フレーズが展開され、爽快な気分にさせてくれます。 5曲目〈フーキー〉は、リフ的なプレイでテーマが奏でられる。レイシーのソプラノ・サックスは高速で切れ味鋭いプレイ、高音でキーキーピーピー言う音などを組み合わせた演奏で、多彩な表現をしています。 6曲目〈ノー・ベイビー〉は、レイシーのレパートリーで、例によってノー・ベイビーと何度か声を発して始まる。途中高い音がありますが、終始まろやかで透明感溢れるソプラノ・サックスが流れます。 7曲目〈タオ:イグジステンス〉は、レイシーの絞り出すようなハイトーンのソプラノ・サックスに酔いしれる。きらめくような音色で、熱く鋭い叫びを放つ。 9曲目〈タオ:ボーン〉は、レイシーのファンならお馴染みの威勢のいいテーマ。レイシーは高速で野太い音を交ぜながらプレイ、高音のキーキー音、フレーズの繰り返しなど、スリリングな即興の連続です。 10曲目〈タオ:ネーム〉、太い音色で音を震わせるなどで始まり、柔らかく落ち着いたプレイ、続いて高音で、すばっすばっと歯切れのいいプレイ。後半にはレイシー特有のガーガー言う響きを発し、続く口笛のような音など、色彩感豊かな演奏です。 11曲目の〈タオ:ザ・ブレス〉は、レイシーの柔らかで滑らかな感じのソプラノ・サックスの音色。次第にテンポが上がっていき、高速ブロウ、バイブレーションなどの、自由奔放なプレイで魅了。 12曲目〈タオ:ライフ・オン・イッツ・ウェイ〉は、同じフレーズをずっと繰り返します。レイシーのソプラノ・サックスはマイクから離れていき、遠くから聴こえてきます。終りの方で少しメロディーをプレイします。 youtubeは配信していませんので省略しております。 |
![]() Recorded. March 24, 1976. Emanem. Steve Lacy soprano sax 1. The Crust 5:05 2. Crops 6:39 3. The New Duck 7:32 4. Pearl Street 7:23 5. Hooky 8:25 6. No Baby 4:06 7. Tao: Existence 7:07 8. Tao: The Way 3:47 9. Tao: Bone 5:12 10. Tao: Name 7:30 11. Tao: The Breath 5:49 12. Tao: Life On Its Way 3:21 13. Revolutionary Suicide 5:58 |