ホライゾン  McCoy Tyner  



  このマイルストーン・レーベルで、ソロからトリオ、レギュラー・コンポ、オーケストラまで独自の音楽を追求し続けてきたマッコイ・タイナーは、1979年4月録音の本作でマイルストーン第16作目になる。前作「トゥゲザー」は各楽器の大物アーチストで固めていたが、本作はレギュラー・グループによる演奏。78年3月ライブ作品「ザ・グリーティング」のメンバーにジョン・ブレイクのバイオリンを加え、ドラムをアル・フォスターに変更した本作は、ブレイクのバイオリンを大々的にフィーチャーしたロマンティックなサウンドが光るスピリチュアル・ジャズ。

1曲目タイトル曲〈ホライゾン〉は、ゆったりとしたマッコイのオリジナル。ピアノ、ホーン、パーカッションなどをバックに、バイオリンのブレイクが個性的なテーマを奏でる。マッコイのピアノは小気味よくスウィング、ジョー・フォードのソプラノ・サックスは切れ味良く響き、ブレイクは流れるようなスリリングなプレイ、ドラムとパーカッションの演奏と続く。テーマの後、全員が一体となった演奏もなかなかいいです。
youtube.com/watch?v=31gLfHQV2-s

2曲目〈ウーマン・オブ・トゥモロウ〉は、ブレイク作曲のバラード。ピアノをバックに、バイオリンのブレイは哀愁漂う美しいメロディーを奏でる。ソロでは、2管のフルートも従えて、ブレイクは歌心あふれるプレイを展開、、マッコイも優雅で上品なタッチを繰り広げている。

3曲目もブレイク作曲〈マザーランド〉、ベースのリズムから始まり、アルト・サックス、テナー・サックス、バイオリンが魅力的なメロディーを奏でる。ジョージ・アダムスのテナー・サックスは豪快に鳴り響き、ブレイクのバイオリンはリズムに乗り、心地良いプレイ、マッコイの切れ味鋭いソロへと展開していく。



4曲目〈ワン・フォー・オナー〉は、ベースのチャールズ・ファンブローの作曲で、ピアノ・トリオによる4ビート・ジャズ演奏。マッコイは速弾きを交えながらメリハリのあるソロ、ファンブローのベースは豊かな低音が響きます。
youtube.com/watch?v=XLlwkXDwYGc

5曲目〈ジャスト・フィーリン〉は、マッコイの代表的な曲。この魅力あるテーマを、ピアノ、ソプラノ・サックス、バイオリンなどをバックに、アダムスがテー・サックスで奏でる。アダムスのソロは力強さと優しさの両方兼ねそなえた音色で魅了している。マッコイはバックのリズム陣と非常にマッチしていて、気持ち良さそうにプレイしています。フォードのソプラノ・サックスは伸びやかに演奏をしています。この曲は比較的軽い曲ですが、演奏に重みがあってバランスがいいです。



ホライゾンの商品詳細ページ


   

 Recorded. April 24 and 25, 1979.
 Milestone.

 McCoy Tyner piano
 John Blake violin
 Joe Ford flute, soprano and alto sax
 George Adams flute, tenor sax
 Charles Fambrough bass
 Al Foster drums
 Guilherme Franco congas, percussion

 1. Horizon  11:58
 2. Woman Of Tomorrow  7:35
 3. Motherland  7:15
 4. One For Honor  4:27
 5. Just Feelin'  7:42