ジャズいろいろ




 モダンジャズと楽器について、モダンジャズはスイングジャズと違って、少人数で演奏をしている。楽器編成は、クイン
テット「trumpet、tenor sax(alto sax)、piano、bass、drums」、カルテット「tenor sax(alto sax)、piano、bass、drums」、
トリオ「piano、bass、drums」などのフォーマットが圧倒的に多い。それにつづくものとして、セクステット「trumpet、tenor sax、trombone(alto sax)、piano、bass、drums」、クインテット「tenor sax、trombone(alto sax)、piano、bass、drums」、
カルテット「trumpet、piano、bass、drums」などがある。その他では、ギター、ヴィブラフォンなどが絡んだコンボが目立つ。


 レーベルとアーチストについて、三大レーベルの中でブルーノートと言えばアート・ブレイキー、ホレス・シルバーなどの
ファンキー・ジャズがすぐに頭に浮かびますが、それよりもハンク・モブレー、リー・モーガン、ジャッキー・マクリーン、グラ
ント・グリーンの4人が50年代から60年代にかけてブーノート一色といってもいいぐらい数多くの作品を吹き込んでいる。
この4人が看板スターとして当時のブルーノートをリードしていたといっても過言ではない。
 一方、大巨人マイルス・ディビス、ジョン・コルトレーンなどはそのブルーノートには一、二枚しか吹き込んでいないが、
プレスティッジには彼らの名盤と言われる作品が数多く吹き込まれている。そのプレスティッジにマイルス、コルトレーン
以外にも数多くのアーチストがかかわり、モダンジャズ黄金期の最大のレーベルを成してきた。その中で、プレスティッジ
系列のニュー・ジャズはすべてのレーベルの中で全般的にすぐれた作品が揃っている。
 三大レーベルのもうひとつ、リバーサイドも大巨人セロニアス・モンクをはじめウエス・モンゴメリー、ビル・エバンスが吹
き込んでいて、各代表作がこのリバーサイドにある。後になったがブルーノートにはバド・パウエルが重要な作品を録音
している。こうしてみると、三大レーベルには大巨人が絡んでいることがわかる。
 他のレーベルを見てみよう。ヴァーヴはスタン・ゲッツ、オスカー・ピーターソンら巨人、そして、エバンスも数多くの作品
を吹き込んでいる。コロンビアに関しては、マイルスの50年代後半以降の作品が目立つ。アトランティックはコルトレーン
をはじめ、チャールズ・ミンガス、オーネット・コールマンたちがここに代表的な作品を録音をしている。


 日本で一番人気のあるハービー・ハンコックについて簡単に述べておきます。1962年のデビュー作「テイキン・オフ」
のオリジナル曲〈ウォーターメロン・マン〉がモダンジャズの大ヒットとなり、当然シングル盤も発売されたほどである。この
頃の60年代はじめのハンコックは、エリック・ドルフィーまたはドナルド・バードといったグループに加わった後、マイルス
・ディビス・クインテットに参加するのである。そこでは、[新主流派ジャズ]が展開していくのである。そういう中で、65年
に代表作「処女航海」が生まれる。
 60年代末ごろになるとマイルス・ディビスは、エレクトリック・サウンドを取り入れる。のちにフュージョンと呼ばれるよう
になった音楽はここから始まった。70年代フュージョン・ブームが来る。ハンコックはそのブームに乗り73年にブラック・
ファンク作品「ヘッド・ハンターズ」が大ヒットとなる。その後はボーカル、シンセサイザーなどを取り入れたフュージョン作
品が多く見られる。一方、VSOPクインテットで60年代のマイルス・グループのマイルスがフレディ・ハバードに代わった
だけの同じメンバーで4ビート・ジャズを演奏している。
 又80年代に入ると大ヒット作が生まれる。これはヒップ・ホップ・サウンドを導入した83年作品「フューチュア・ショック」
である。これを聴きますと、60年代のブルーノート作品と同じ人の作品とは思えないほどジャズとはほど遠い作品と言え
よう。そして、90年代の代表作として「ザ・ニュー・スタンダード」がある。この作品はじっくりとジャズを聴かせてくれる。


 もう一人実力者を紹介します。ジャズピアニストのマッコイ・タイナー。1960年頃から第一線で活動し、ハンコックと同じ
1962年に初リーダー作を録音している。ベニー・ゴルソン、アート・ファーマー双頭のジャズテット経てジョン・コルトレー
ン・グループで演奏活動して、数々の名盤に名を連ね、飛躍を遂げ、自己のスタイルを確立した。60年代中頃に独立し、
ブルーノートにて自己のコンポを率いて独自の音楽を探求し、一作ごとに雄大なスケールの音楽を展開していき、60年
末頃から次第にアフリカ志向を強めていく。
 70年代に入るとジャズ界は、電気楽器を用いたフュージョンが全盛。だがマッコイ・タイナーは、そういう流れにとらわ
れず、独自の音楽を追求し確立する。これは70年代のマイルストーン・レーベルの作品からみられる。独特のサウンド
を用いて、スケールが大きく、パワフルである。代表作に、ストリング・オーケストラと共演した76年作品「フライ・ウィズ・
ザ・ウインド」がある。この作品は、フルートをふんだんに使っている。ブルーノート末期時代から使っているジャズでは
珍しいオーボエも少し入っている。そして、ビリー・コブハムのドラムスとオーケストラが見事にマッチした作品である。
そのほかの作品では、ソプラノ・テナーサックスをはじめフルート、ヴィブラフォン、バイオリン、コンガなどの楽器を用いて
アフリカ色を出した作品が主である。こうして70年代は絶頂期を迎えたのである。
 デビューからインパルス、ブルーノート、マイルストーンと渡り歩いて、80年代に入ると、一作ごとにレーベルが変わっ
ていく。80年代前半は低迷期があったが、新生ブルーノートに参加したあたりから復調し、以後レギュラー・トリオ中心
に活動するほか、ソロ・ピアノ作を吹込んだり、ビッグバンドを率いるなど幅広く活動し、以前に比べて表現手段が多様
になっていった。2011年現在、演奏活動が半世紀を超え、70歳を過ぎ、アメリカ、ヨーロッパを中心にライブ活動を行っ
ている。


 人は昔からCDは音が良いと言いますが、モダンジャズのLPと聴き比べると、CDよりもLPの方が高い音がきれいに聴
こえます。モダンジャズを聴く場合は、なるべくCDよりもLPで聴くことをお薦めします。関西地区にお住まいの方に中古
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 本サイトhallmarkは、長年にわたり、ジャズ関連のCD自主制作、編集などを行ってきましたが、2012年11月にCD制
作会社において諸事情により、CD制作中止に致しました。


It sends from kyoto.
hallmark records.