My Favorite Things / John Coltrane   



  ジョン・コルトレーンは、1960年4月にマイルス・デイヴィス・クインテットから独立し、自己のグループを結成する。コルトレーンは、結成から間もないメンバーのマッコイ・タイナー、スティーヴ・デイヴィス、エルヴィン・ジョーンズ等と10月から11月にアトランティックへ19曲もの演奏を吹き込む。それらは本作と「コルトレーン・プレイズ・ザ・ブルース」、「コルトレーン・サウンド」などに収録。残りの曲はコルトレーンの死後、「オルタネイト・テイク」、「レガシー」などに収められて登場、又は前述の作品のCDボーナス・トラックとしてもお目見えする。

本作品は、ミュージカル・ナンバーである〈マイ・フェイヴァリット・シングス〉で、本格的なソプラノ・サックスによるプレイがフィーチャーされており、新しいスタイルに向かって大きく羽ばたこうとしている彼の姿を現わしています。このタイトル曲は、コルトレーンにとってもっとも重要なレパートリーとなり、ことあるたびにレコーディングが行われている。

1曲目〈マイ・フェイヴァリット・シングス〉は、リチャード・ロジャース作曲による "サウンド・オブ・ミュージック " からの一曲。ピアノ・トリオをバックに、ソプラノ・サックスでコルトレーンは親しみのあるテーマを奏でる。マッコイのソロは小気味よいリズム感で淡々としたプレイ、コルトレーンは気持ちよさそうにつややかなソプラノ・サックスで伸びやかにソロを聴かせ、心地良いサウンドが鳴り響きわたります。



2曲目〈エヴリタイム・ウィ・セイ・グッドバイ〉は、コール・ポーター作曲のバラード。コルトレーンは優しく包み込むようなソプラノ・サックスの音色に暖かみのある歌い上げ、マッコイのピアノはきらびやかに流れていき、軽やかなタッチを加えながら、華麗に演奏しています。
youtube.com/watch?v=F8Jmcynp9d0

3曲目〈サマータイム〉は、ジョージ・ガーシュウィン作曲のオペラ "ポーギーとベス"で歌われた子守唄。コルトレーンはテナー・サックスに持ち替え、快速テンポの中、自由自在に吹きまくっています。マッコイはテンポよくリズムを刻み、躍動感あふれるプレイ、スティーヴは重厚なベースを響かせ、そしてエルヴィンの激烈なドラミングに、ベースが絡むプレイを展開していく。



4曲目もガーシュウィン作曲の〈バット・ノット・フォー・ミー〉、明るく楽しくて、スウィング感を醸し出しています。速いテンポで、コルトレーンのテナー・サックスは豪快にブロウする快調なプレイ、マッコイのピアノはアグレッシブで、鍵盤上を疾駆するような軽快にスウィングしています。再びコルトレーンで、淀みなく疾走感に満ち溢れ、エネルギッシュな演奏を繰り広げます。
youtube.com/watch?v=1m1AziEQM1w

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Recorded. October 21 and 24 and 26, 1960. Atlantic. 

John Coltrane tenor sax, soprano sax
McCoy Tyner 
piano
Steve Davis 
bass
Elvin Jones 
drums

1. My Favorite Things 13:44
2. Everytime We Say Goodbye 5:45
3. Summertime 11:37
4. But Not For Me 9:41