JAZZ手記



今思いますと、ジャズのきっかけは、1970年代初めごろ、あるダンスホールへ行き、そこでよく流れていた音楽がモダン・ジャズの大ヒット・ナンバーであるハービー・ハンコックの〈ウォーターメロン・マン〉とハービー・マンの〈カミン・ホーム・ベイビー〉(この曲名は、その頃知らなくて約20年後ぐらいに知る。)である。その当時〈ウォーターメロン・マン〉のシングル盤が出ていましたので買ってよく聴きました。そのシングル盤はどこにいったのかすぐになくしてしまいました。でもジャズは全く興味はありませんでした。十代から京都音協の会員で、ペレス・プラード、ジョージ・チャキリス、リカルド・サントス、中尾ミエ、寺内タケシとブルージーンズVSジャッキー吉川とブルーコメッツ、ザ・ワイルドワンズなどのライヴに行ったり、それまで幅広くいろいろな音楽を聴いていましたが、特にこれが好きという音楽ジャンルはなかったです。少し映画音楽に興味あった程度で、レコードもほとんど買いませんでした。

             

それから長い年月が経ち、1984年に、どういうわけか〈ウォーターメロン・マン〉が聴きたくなって、ハンコックのデビュー盤LP「テイキン・オフ」を買いました。それからというものは、私にとってバイブルであるポピュラー・レコード総カタログ’83ジャズ編を手元に、ハンコックの60年代から70年代のジャズ・フュージョン、そして70年代から80年代にかけてのジャズ・フュージョン全般のレコードを買い集めた。その間ジャズ・ピアニスト、マッコイ・タイナーのレコードも買い始める。。そして、マッコイのレコード「ホライゾン」の中でテナー・サックスのジョージ・アダムスの演奏に魅力を感じ、それらを聴いているうちに、86年本格的にモダンジャズを買うようになった。又ジャズだけでなしにソウルまで手を伸ばしていました。60年代のオーティス・レディングやアレサ・フランクリン等のアトランティック・レーベルを中心に、モータウンの音楽などのレコードを買って聴いていました。その他では、ポップス系のルル(イギリスの歌手で67年〈いつも心に太陽を〉の曲で有名、日本ではビートルズの影に隠れてあまり目立たなかった)のLPなども買いました。この80年代半ばはジャズ以外いろいろなジャンル(日本歌謡演歌も含む)のレコードを買って聴いてました。又86年は、地元京都の各レコード店がCDを本格的に売り出した時期でもありました。ジャケットは左からクルセイダーズT、ハービー・ハンコックの「ミスター・ハンズ」、ザ・ベスト・オブ・オーティス・レディング、ルルの「LuLu (1981)」

                       

好きな一人であるアルト・サックスのアート・ペッパー、90年頃からペッパーのレコードを買い始めました。ペッパーは50年代後半が絶頂期だが、ブランクがあって70年代中頃に復帰したプレイもなかなかいい、以前よりパワフルでより一層凄みを加えている。復帰第2作となる76年の「ザ・トリップ」はフルトーンで力強く鳴り響き、豊かな人間性を感じさせる演奏。77年の「‐‐‐アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」も覇気に満ち溢れ、アドリブにすべてを賭け、思う存分に展開されている素晴らしいライヴ盤、LPは3枚出ていました。CDコンプリート盤も出ています。

              

90年代半ば、テレビでケニー・Gの演奏を見てソプラノ・サックスに興味を持ち始めました。そこでジャズ・フュージョンのソプラノ・サックス演奏者すべてを調べました。ある程度アーティストをピックアップして手に入るCDを買いました。その中には、以前からレコードを買っていたフュージョンのグロバー・ワシントンJrやジャズのウェイン・ショーターにブランフォード・マルサリス他、これらのアーティストは何れもテナー・サックスなどの兼用で演奏している。ソプラノ・サックス専門というかソプラノ一本で演奏者がいました。スティーヴ・レイシーです。この人の最初に買ったCD「Bye-Ya」などを聴いていくうちに好きになりました。一般のソプラノ・サックスの音色とは全く違います。大体太い音色で、ソプラノでこんな音が出せるんだと思ったりした。作品によっては奇抜な音楽表現があり、とにかく多種多彩のアドリブ、テクニックは他にはいないでしょう。楽器にあまり縁がなかった私もソプラノ・サックスを買ったぐらいレイシーにはまりました。このスティーヴ・レイシーはフリー・ジャズで、50年代から演奏活動しています。リーダー・アルバムも100枚以上あり、なかでもソロ・アルバム(全曲ソプラノ・サックス一人の演奏)を少なくても20枚以上出しています。一度生演奏で聴きたかったです、2004年に亡くなっています。もう一人好きなソプラノ奏者がいます。大巨人ジョン・コルトレーンです。又彼のソプラノの音色も好きで、特にかすれ気味の音がいいです。アドリブも素晴らしいです。コルトレーンに関しては、50年代のテナー、60年代のソプラノが気に入ってます。ジャケットは左からスティーヴ・レイシー・ソロ、ジョン・コルトレーンの「インプレッションズ」、ブランフォード・マルサリスの「レクイエム」

                       

レコード買いに大阪・神戸のレコード店へ90年代後半から行くようになりました。当時レコード店内の客入りもそこそこいました。しかし、年々客が減っていったように思われる。大阪ではここ10年余りの間、ジャズ・オリジナル盤を含めて豊富にジャズを取り扱うLPコーナー、ビックピンク、そしてVICと次々閉店していった。京都でも近年、老舗レコード店が閉店になった。私も長年LP・CDを買い取りや購入などを通して中古レコード店を見てきましたので残念です。2013年現在新品のCDが安いので、中古のCDがあまり売れないこともあり、LPの方は中古CDほどでもないが現在の中古レコード店いつまでも盛況を願いたいです。

 

他の国は分かりませんが、日本の場合テレビはあまり放送しないが、ラジオ放送にしても、ライブハウスやイベントでもジャズ・ヴォーカルが多いです。個人的にジャズ・ヴォーカルはあまり聴かない方ですが、そのジャズ・ヴォーカル現在手元にあるのはCD2枚だけになりました。永久に残こしたい作品です。その2枚は、サラ・ヴォーンの〈バードランドの子守歌〉などのスタンダード曲が入った54年代表作「サラ・ヴォーン・ウイズ・クリフォード・ブラウン」とカサンドラ・ウイルソンの主にアコースティック・ギターをバックにブルースやフォーク調などを取り上げた95年最高傑作「ニュー・ムーン・ドーター」という素晴らしい作品です。

               

この30年の間、80年代からカセットテープによく録音しました。ジャズだけでなしに、フュージョン、ソウル、ソプラノ・サックスなどの作品を編集して録音。パソコンを使ってからは主にジャズをCDに録音、又プリンターを使ってCDに印刷、ジャケットも作成、こういうことを頻繁に行なっていましたので、手持ちのCD・レコードなどから曲を選りすぐりました。そんな中、昔は難しく聴きづらいジャズ・レコードもありました。そういうレコードを含めて現在までよく買取に行っております。10年以上経って、買取したレコードの中で再購入したことがあり、聴きづらかったレコードがそうではなく聴こえてくることがあります。多くの作品を聴きこなしていくうちに、ジャズは馴染んでくることもあります。

 

ソプラノ・サックスを買って大分なりますけれど、今まで時間が足りなくて、まだまだ十分に練習は出来ていません。現在練習環境いいとは言えないですけど、続けたいです。ソプラノ・サックス、生の低音の響きがいいです。さらに原点を見つめながら、スティーヴ・レイシーの追求など、あらゆるものを取り入れて心懸けていく。


   


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