オレ / John Coltrane  



  3管、2ベースの大編成による、アトランティックでのジョン・コルトレーン最終作品。当時のコルトレーンは外国への興味がおさまりきれなかったようで、アフリカ、スペイン、インドなどの音楽や哲学を研究する毎日を送っていたという。本作のタイトル曲ではスペインを念頭に作曲されている。そしてジョージ・レインという名で参加のエリック・ドルフィーと、若きフレディ・ハバードの好演も聴き所。パワフルな明るさが感じられ、熱気溢れる素晴らしい作品です。

1曲目タイトル曲の〈オレ〉、スパニッシュ・モードを基調にしたムードで、2ベースとピアノの絡みで鳴り響くイントロ、ここへコルトレーンがソプラノ・サックスで心地いい魅力的なテーマを吹き鳴らします。ドルフィーのソロはフルートから発散される硬質の輝き、ハバードのトランペットは力強く伸びやかで澄み切ったソロ、マッコイ・タイナーは小気味よくアグレッシブなプレイ、続いてレジー・ワークマン、アート・デイヴィス2人のベースによる、ピチカート、アルコのプレイ、このあと重厚な響きでダブル・アルコを聴かせます。そして、コルトレーンのソプラノ・サックスは高音で躍動感があり、表現豊かなプレイを繰り広げます。スペイン風のサウンドに彩られた演奏です。



2曲目〈ダホメイ・ダンス〉は、ベース音などのイントロで始まり、マッコイのピアノから発し、続く3管ホーンが何の変哲もないフレーズを繰り返すテーマ。ミディアム・テンポで、コルトレーンのテナー・サックスは自由自在に吹きまくっています。ハバードは実にトランペットらしい、円やかな響き、続くドルフィーは軽快なリズムに乗って、エネルギッシュなアルトを吹ききっている。マッコイのピアノは軽やかにスウィングしています。
youtube.com/watch?v=CADclq82tlY

3曲目〈アイシャ〉は、マッコイ作曲の美しいバラード。テーマはコルトレーンの情感豊かな艶っぽいテナー・サックスで奏でます。ハバードの煌びやかなトランペットの響きに、優しさやゆったりとした暖かさを感じる。ドルフィーのアルト・サックスは心のこもった味のある冴えたアドリブ、そして、マッコイのピアノは色彩豊かな音色で流れていき、生き生きとした力強いタッチを加えながらも、華麗に演奏をしています。
youtube.com/watch?v=tr72UkaBdtk

4曲目〈トゥ・ハー・レディシップ〉は、オリジナル・アンタイトル・バラードとも言う曲で、LPの時は「レガシー」に収録されていた。ピアノ演奏から、ドルフィーの優雅なフルート、コルトレーンのソプラノ・サックスは柔らかく、ハバードの輝くようなトランペットと続くメロディー。コルトレーンのまろやかで透明感溢れるソプラノ・サックス、ハバードは気持ちのいい歌いっぷり、ドルフィーのフルートは暖かみのある歌い上げ、マッコイは落ち着いたムードで淡々としたプレイを繰り広げる。終りのテーマでコルトレーンはテナー・サックスに持ち替えて吹いています。
youtube.com/watch?v=8MiFDcLzT_Y

オレの商品詳細ページ

   

 Recorded. May 25, 1961. Atlantic.

 John Coltrane tenor sax, soprano sax
 Eric Dolphy 
flute, alto sax
 Freddie Hubbard 
trumpet
 McCoy Tyner 
piano
 Art Davis 
bass
 Reggie Workman 
bass
 Elvin Jones 
drums 

 1. Olé 18:05
 2. Dahomey Dance 10:48
 3. Aisha 7:32
 4. To Her Ladyship 8:54