サハラ McCoy Tyner |
1970年代のマッコイ音楽の頂点を築くマイルストーンでの第一作。マッコイ・タイナーは亡きジョン・コルトレーンの魂をしっかりと受け継ぎながらも、ブルーノート時代の後期から、自身の思いをぶつけた、力強くエネルギッシュなマッコイ流アフロ・サウンドを強調してきた。これがより一層強調されたのが本作品。 本作では、ソニー・フォーチュンをはじめ、カルビン・ヒル、アル・ムザーンという強力なメンバーが参加。人間の力の及ばぬ大自然のパワーにも似た、雄大なスケールに満ちている。もはやこれ以上は不可能と思える速弾きから生じる、大地を揺るがすほどのエネルギーこそが、マッコイ流アフロ・サウンドの真髄。全曲マッコイ・オリジナル。 1曲目〈エボニー・クイーン〉は、マッコイのピアノが最初にテーマを弾き、続いてフォーチュンのソプラノ・サックスがテーマを吹く。フォーチュンのソロは音色といい、プレイぶりはジョン・コルトレーンのソプラノを彷彿させるような熱い演奏を繰り広げている。マッコイは疾走感あるスリリングなソロを聴かせている。ドラムのムザーンも強烈に叩きまくっています。 2曲目〈ア・プレイヤー・フォー・マイ・ファミリー〉は、マッコイのピアノ・ソロです。力強さの中にも優しさを感じられ、鍵盤の上から溢れだす美しい演奏です。 youtube.com/watch?v=dS6lu2kMzwg 3曲目〈ヴァレー・オブ・ライフ〉は、マッコイが終始琴で演奏される。琴の演奏から始まり、フォーチュンのフルートと、パーカッションが加わって、アフリカの香りが漂ってくる。 4曲目〈リバース〉は、パワフルなアップ・テンポの曲で、グループが一体となった怒濤の演奏が繰り広げられる。ムザーンの激しいドラムで始まり、マッコイが超高速でガンガン弾きまくる圧倒的なスピード感、続くフォーチュンのアルト・サックスは唸るような熱いプレイを展開していく。 youtube.com/watch?v=5EceBzWQhvQ 5曲目のタイトル曲〈サハラ〉は、笛の音、ムザーンのトランペットで動物の鳴声、パーカッション、ドラムなどが繰り出すイントロは、アフリカ色が滲み出ている。魅力あるテーマを、マッコイ、フォーチュンのソプラノ・サックスで奏でる。フォーチュンの気合の入ったソロは激しく鳴り響き、ソプラノ・サックスが大い冴えわたる。続くマッコイは強力なタッチで、躍動感に満ち溢れたプレイを展開していく。この後パーカッションをバックに分厚いベースのソロ、全員が笛、パーカッションなどでプレイ、ドラムのソロと続く壮大なアフリカ大地を感じさせるパノラマ・ワールド。 そして、マッコイ、フォーチュンによるテーマ演奏へ戻っていく。 youtube.com/watch?v=W5yOk9A7K6s サハラの商品詳細ページ |
![]() Recorded. January, 1972. Milestone. McCoy Tyner piano, koto (On 3), flite and percussin (On 5) Sonny Fortune soprano sax (On 1, 5), alto sax (On 4), flute (On 3, 5) Calvin Hill bass, percussio and reeds (On 3, 5) Alphonse Mouzon drums, trumpet reeds and percussion (On 5) 1. Ebony Queen 8:58 2. A Prayer For My Family 4:45 3. Valley Of Life 5:17 4. Rebirth 5:19 5. Sahara 23:28 |