Selflessness featuring My Favorite Things / John Coltrane |
1963年にニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライヴ2曲と、65年のスタジオ録音1曲が収録された作品。タイトル曲〈セルフレスネス〉は65年「クル・セ・ママ」セッションの残りで、ファラオ・サンダースらを加えたフリー移行過渡期での演奏。ライヴではエルヴィン・ジョーンズの代役を務めたロイ・ヘインズの、スネアを中心とした挑発的な演奏に刺激されて、ジョン・コルトレーンが延々と吹きに吹きまくる。冒頭の〈マイ・フェイヴァリット・シングス〉はこの曲の数ある演奏の中でもベストと言える。 1曲目〈マイ・フェイヴァリット・シングス〉は、リチャード・ロジャース作曲による"サウンド・オブ・ミュージック "の挿入歌。コルトレーンのテナー・サックスによる力強いイントロから始まり、コルトレ-ンはすぐさまソプラノ・サックスに持ち替えて、親しみやすいテーマを表情豊かに奏でます。ヘインズの激烈なドラミングをバックに、マッコイのピアノは歯切れよく、軽やかにスウィングしています。そしてコルトレーンはソプラノ・サックスで、絞り出すようなハイトーン、多彩なアドリブなどが冴えわたり、かすれ気味の音色といい、スリリングな即興の連続は申し分ない。コルトレーン最高のアドリブ・プレイです。 2曲目〈アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー〉は、ビリー・エクスタイン作曲でお馴染みのスタンダード。スロー・テンポで、コルトレーンは少し哀愁を感じさせるメロディーを奏でる。コルトレーンのテナー・サックスは柔らかく落ち着いた音色で、肩の力の抜けた気持ちのいいプレイが快適である。続いて後半コルトレーンは色彩感豊かな音色で、高速フレーズを交えながら壮絶なガデンツァ(無伴奏で演奏するソロ)を繰り広げていきます。 youtube.com/watch?v=lGq-XNJELBY 3曲目〈セルフレスネス〉は、コルトレーンの作曲。ゆったりとしたテンポで、神秘的なテーマをコルトレーンらが中心に奏でていき、やがてテンポが上がり、フリーっぽく激しさを増していく。続くマッコイ・タイナーのソロは、フリー色をなくして、小気味よいリズム感を伴って疾走感溢れる演奏。パーカッションが絶妙の味わいを加えている。そして、テナー・サックスのコルトレーン、サンダースはバリバリ速吹きで飛ばしていく強烈なブロウで過激なフリーになり、熱く鋭く吹きまくる凄まじい演奏を繰り広げる。最後はエルヴィンの豪快に冴えわたるプレイで締めている。 Selflessness featuring My Favorite Thingsの商品詳細ページへ |
![]() Recorded. July 7, 1963 (on 1, 2) and October 14, 1965 (on 3). Impulse. John Coltrane tenor sax, soprano sax McCoy Tyner piano Jimmy Garrison bass Roy Haynes drums (on 1, 2) Pharoah Sanders tenor sax (on 3) Donald Garrett bass clarinet (on 3) Elvin Jones drums (on 3) Frank Butler drums, percussion (on 3) Juno Lewis percussion (on 3) 1. My Favorite Things 17:36 2. I Want To Talk About You 8:21 3. Selflessness 14:52 |