ART PEPPER


カリフォルニア州カーデナ出身。ウエスト・コースト・ジャズ・シーンにおいて、常にアドリブの限界に挑戦するようなプレイを展開してきたアルト・サックス奏者の最高峰。

1940年代後半から1950年代初頭にかけて、スタン・ケントン楽団などで活動し、人気を獲得。1952年に自己のコンポをもったが、1953年から麻薬禍のためほとんど引退同然。1957年に再起し、1960年までウエスト・コースト周辺で活躍し、この頃が絶頂期で、アドリブ奏者としての本領を発揮した。この時期でのプレイはビューティフルで甘美であり、感覚美に輝き、哀愁を秘めたブルースを得意とした。

その後1960年代前半から1970年代半ばまでの15年間は、1968年に、バディ・リッチ楽団でプレイした以外、麻薬のためにジャズ・シーンからの撤退を余儀なくされたが、そのブランクをものともせずに復活。主にカルテットによって演奏し、以前にも増してよりパワフルなプレイに向かい、アルトもフルトーンで鳴り響き、一層の凄みを加えたプレイで自己の生き方を示した。以後1982年に急死するまでレコーディングに、コンサートにと活躍していた。とりわけ日本のファンに愛され、自伝〔ストレート・ライフ〕の出版などと相俟って、1970年代終り頃から人気が急上昇してきていた矢先の死だった。

代表作 : アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション、アート・ペッパー・カルテット、ザ・トリップ、'77アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード



1925.9.1 - 1982.6.15


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