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 コンセプツ・イン・ブルー / J.J.ジョンソン  




Concepts in Blue







J.J.ジョンソンは、1940年代初めから活躍しているモダン・ジャズのトロンボーン奏者第一人者。チャーリー・パーカーをはじめ、巨人らと共演して自己のスタイルを確立する。主な活躍としては、50年代半ば、白人トロンボーン奏者の第一人者カイ・ウィンティングと双頭トロンボーン・チームJ&Kを結成。このコンビは、長い中断を含みながらも、70年迄作品を発表し続けた。その後もあらゆるジャズメンと共演する活動をする。そして、本作品はベテランも参加している80年の録音、まだフュージョン時代、エレクトリックの楽器を取り入れています。

1曲目〈ブルー・ナン〉は、J.J.のオリジナル。印象的なアンサンブルのテーマで始まり、エレクトリック・ピアノのソロに続き、J.J.のソロは気持ちよさそうに思いっ切りブロウしており、グルービーなフィーリングにも満ちている。この後のドラムスとの掛け合いプレイもなかなかいい演奏を繰り広げている。
youtube.com/watch?v=RgIzi_uY-eI

3曲目〈ヴィレッジ・ブルース〉は、ジョン・コルトレーンの作曲。ホーンとシンセサイザーで奏でるテーマ・メロディー。J.J.の伸びやかなソロ、クラーク・テリーの艶やかなトランペット・ソロに続き、テナー・サックスのアーニー・ワッツが、コルトレーンの魂が乗り移ったような情熱的なブローを展開する。そしてJ.J.、クラーク、ワッツの3管による熱い演奏でこの曲を締めている。
youtube.com/watch?v=oGCL37Nofz4

5曲目〈カミング・ホーム〉は、ドラムスのケビン・ジョンソンの作曲。短いテーマで始まり、速いテンポで、J.J.の絶妙のアドリブ・ソロ、アルト・サックスのワッツはスピード感溢れるプレイ、続くトランペットのクラークはテクニックで吹きこなし、そして、ヴィクター・フェルドマンの小気味よいピアノと展開していく演奏。
youtube.com/watch?v=nh6VuIzDhLs

続くタイトル曲〈コンセプツ・イン・ブルー〉は、J.J.の作曲で、ハード・バップをフュージョンにしたようなテーマ。J.J.はリラックスした柔軟なプレイ、続くワッツはテナー・サックスで豪快なトーンを吹き上げ、ビリー・チャイルズの軽やかなピアノなどのソロの後、魅力的なテーマに戻っていく。この曲では、レイ・ブラウンの最初から最後まで正確なリズムでベースを弾くプレイが印象的。


7曲目もJ.J.作曲の〈モホーク〉、この作品唯一モダン・ジャズの雰囲気のある曲。トランペットのクラークが暖かい音色で明るく吹き上げる。続くピアノ、エレクトリック・ピアノ、ピアノと交互のソロを展開し、最後は、J.J.の洗練された技巧的なプレイで締めくくっている。

大体一般のアルバムは、1〜2曲良くないテーマ・メロディーが入ってるのが多いのですが、このアルバムに関してはどれもこれも感じのいい曲ばかりで、珍しいです。別のところでも述べてますが、ジャズとしても聴けますし、またフュージョンとしても聴けるアルバムだと言えます。このコーナーのフュージョンだけではなしに、これからジャズも聴きたいと思っている人は、このあたりの作品からお聴きになればいいのではないでしょうか。

コンセプツ・イン・ブルーの商品詳細ページ
  録音 1980年9月23日‐26日
  1. Blue Nun 5:03
  2. Nermus 6:10
  3. Village Blues 5:07
  4. Azure 6:00
  5. Coming Home 7:10
  6. Concepts in Blue 7:56
  7. Mohawk 6:01


  -パーソネル-
  J.J.ジョンソン tb
  クラーク・テリー tp, fhr
  アーニー・ワッツ ts, as
  ピート・ジョリー keyb
  ビリー・チャイルズ keyb
  ヴィクター・フェルドマン vib, keyb
  レイ・ブラウン b
  トニー・デュマス b
  ケビン・ジョンソン ds