ビッチェズ・ブリュー / マイルス・デイヴィス |
![]() Bitches Brew |
1969年、前年の「マイルス・イン・ザ・スカイ」、「キリマンジャロの娘」によって、マイルス・デイヴィスは音楽性を大きく変換しつつあった。不動のメンバーによるクインテットも、チック・コリア、デイヴ・ホランド、ジャック・ディジョネットが順次加入してきて、バンドのサウンドそのものが、この年に入って以前とはまったく違うものになっていく。 そのマイルス・グループが、ジョー・ザヴィヌル、ジョン・マクラフリン、ベニー・モウピンなどのサポート・メンバーも加えて2月に「イン・ア・サイレント・ウェイ」を録音し、8月にはより本格的なロック・リズムを導入して本作品「ビッチェズ・ブリュー」を完成させる。本作品は、ロック・ビートとエレクトリック楽器の大胆な使用によってまったく新しいサウンドを現出させ、70年代以後の音楽シーンの動きを決定するほど大きな影響を及ぼす作品となった。 Disc1の1曲目〈ファラオズ・ダンス〉は、ジョー・ザヴィヌルの作曲。ドラム、エレクトリック・ピアノ、ベースなどの絡み合いから始まり、さらにパーカッション、低音のバス・クラリネット、切れ味鋭いギターが加わり、テーマが不穏な雰囲気に包まれて流れる。しばらくすると、マイルスのトランペットの音が空を切って鳴り響く。ドラムのビートが効いたソロに入ると、マイルスが軽やかにいい感じで吹いています。続くベニー・モウピンの渋くてこくのあるバスクラ 、再びマイルス登場して伸びやかな歯切れよくキメてます。又モウビンもソロを、そしてウェイン・ショーターのメリハリのあるソプラノ・サックス、この後ギター、エレピとソロが続き、最後はマイルスの演奏で締めていく。 youtube.com/watch?v=ycSAGSO1AI0 Disc1の2曲目マイルス・デイヴィス作曲のタイトル曲〈ビッチェズ・ブリュー〉は、印象的なベースのフレーズ、それに乗っかってマイルスのトランペットが吹き鳴らすメロディー。続いてベースとバスクラで静かに演奏が始まり、ドラム、エレピ、ギターなどが加わり、そしてマイルスのソロで次第に盛り上がっていく。この後、ギターとエレピの絡み、続いてマイルスがエレピとの絡み演奏、ショーターの短いソロなどが続きます。テーマ曲を吹くマイルスにはエコー使って、いい効果が出しています。 youtube.com/watch?v=Q26k14yBAnM Disc2の1曲目〈スパニッシュ・キー〉は、マイルス・デイヴィスの作曲。感じのいいテーマの後、リズミックな速いテンポで、マイルスのトランペットは、スペイン風の色合いを帯びながら吹き鳴らす。ショーターのソプラノ・サックスは澄み切った音色を響かせる。ギター、エレピのエネルギッシュなソロ、終りの方で、モウピンがバスクラ特有の太い音色で味のある演奏を聴かせている。 Disc2の3曲目〈マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥ・ダウン〉は、マイルス・デイヴィスの作曲。ややスロー・テンポでファンクな曲。マイルスのソロは次第に迫力ある演奏へ展開。続くファンキーなジョン・マクラフリンのギターは凄まじいソロで盛り上げ、ショーターのソプラノ・サックスは自由奔放なアドリブ・プレイ。最後は再びマイルスが斬新さに満ち溢れた恐ろしい演奏を繰り広げている。 Disc2の4曲目〈サンクチュアリ〉は、ウェイン・ショーターの作曲。静けさ漂うエレピをバックに、マイルスのトランペットが奏でます。ショーターも静かに加わる。スロー・テンポで、フロントが延々とテーマを吹き続けていく展開。静かだった演奏が、マイルスとショーターのロングトーンに乗せて熱く燃え上がります。途中にまた静かなエレピにマイルスのソロが乗せていく。又くり返し徐々にクールに盛り上がりながら締めていきます。 youtube.com/watch?v=eV4FiRb19ZY ビッチェズ・ブリューの商品詳細ページ |
録音 1969年8月19日-21日 Disc1 1. Pharaoh's Dance 19:57 2. Bitches Brew 26:59 Disc2 1. Spanish Key 17:26 2. John McLaughlin 4:43 3. Miles Runs The Vooboo Down 14:02 4. Sanctuary 10:53 5. Feio 11:49 -パーソネル- マイルス・デイヴィス tp ウェイン・ショーター ss ベニー・モウピン bcl ジョン・マクラフリン g チック・コリア elp ジョー・ザヴィヌル elp (on Disc1, Disc2-1,4) ラリー・ヤング elp (on Disc1-1, Disc2-1,2,3) デイヴ・ホランド elb ハーヴェイ・ブルックス elb ジャック・ディジョネット ds レニー・ホワイト ds ドン・アライアス ds, conga ジム・ライリー perc |