ハード・バップなジャズ |
ホエン・ファーマー・メット・グライス ‐ アート・ファーマー | |
![]() ホエン・ファーマー・メット・グライス 商品詳細を見る A Night At Tony's youtube.com/watch?v... Stupendous-lee youtube.com/watch?v... |
Recorded. May 19, 1954 and May 26, 1955. Prestige. ART FARMER trumpet GIGI GRYCE alto sax HORACE SILVER piano (on 1 - 4) FREDDIE REDD piano (on 5 - 8) PERCY HEATH bass (on 1 - 4) ADDISON FARMER bass (on 5 - 8) KENNY CLARKE drums (on 1 - 4) ARTHUR TAYLOR drums (on 5 - 8) 1. A Night At Tony's 5:06 2. Blue Concept 5:03 3. Stupendous-lee 5:47 4. Deltitnu 4:18 5. Social Call 6:04 6. Capri 5:01 7. Blue Lights 5:19 8. The Infant's Song 5:15 |
プレスティツジが誇る名盤の1枚で、ここにはアート・ファーマー、ジジ・グライスという卓越したジャズメンの持つ理念が見事に結集しており、知性と情感の極めて素晴らしい融合が見られる。このファーマー、グライスの知性による双頭ユニットは、ハードバップが生んだ最良の収穫の1つである。 このコンビはトランペットとアルトという伝統的なフォーマットに、新鮮な視点と創意を注入し、それによりハード・バップをより深みのあるサウンドへ仕上げていくのである。本アルバムは2つのセッションからなっているが、ともに内容の点では素晴らしく、ハード・バップ期における最大の成果を導き出している。なお、全曲、グライスのオリジナルです。 最初の〈ア・ナイト・アット・トニーズ〉は、軽快なリズムに乗って、ファーマーは落ち着いた円やかなソロ、グライスの切れ味鋭いソロ、そして、2人の掛け合いプレイもなかなかいい演奏です。3曲目〈スチューペンダス・リー〉では、のっけからファーマー、グライスの絶妙のハーモニーが繰り広げられる。ミディアム・テンポで、グライスの伸びやかなソロ、ファーマーの抑制の効いたソロが展開される。 6曲目の〈カプリ〉は、速いテンポで、グライスの比較的柔らかい感じのソロ、ファーマーはアグレッシブなプレイ。7曲目の〈ブルー・ライツ〉は、ハード・バップの香り漂う曲。2人のアンサンブルで始まるハード・バップ的なテーマ。トランペット、アルト共にストレートなソロ・プレイ。フレディ・レッドのピアノもいいソロを聴かせている。 |
ブルー・トレイン ‐ ジョン・コルトレーン | |
![]() ブルー・トレイン 商品詳細を見る Blue Train youtube.com/watch?v... |
Recorded. September 15, 1957. BlueNote. JOHN COLTRANE tenor sax LEE MORGAN trumpet CURTIS FULLER trombone KENNY DREW piano PAUL CHAMBERS bass PHILLY JOE JONES drums 1. Blue Train 10:43 2. Moment's Notice 9:09 3. Locomotion 7:13 4. I'm Old Fashioned 7:57 5. Lazy Bird 7:05 6. Blue Train (Alternate Take) 9:58 7. Lazy Bird (Alternate Take) 7:12 |
マイルス・デイヴィスのクインテットに加わっていたジョン・コルトレーンは、マイルスがフランスに行っている間、一旦セロニアス・モンクのコンポに入っていた頃に吹込まれたブルーノート唯一のリーダー・セッション。ブルーノートの創設者アルフレッド・ライオンはかねてからコルトレーンのアルバムを作りたがっており、それを知った彼が契約していたプレスティッジを説得して録音が実現したもの。そしてレパートリーとメンバーの選定もすべてコルトレーンの主導で行われた作品。 リー・モーガン、カーティス・フラーといったBNのスターたちに囲まれて、コルトレーンもリーダー作の中では最もリラックスしたハード・バップ的な雰囲気で、重量感溢れる演奏を繰り広げる。メンバー6人が一丸となった演奏は、何ひとつ文句のつけようがない完成度の高い作品に仕上がっている。なお、〈I'm Old Fashioned〉以外はコルトレーンの作曲。 タイトル曲の〈ブルー・トレイン〉は、テナー、トランペット、トロンボーンの3管ハーモニーのテーマで始まり、コルトレーンの速いブロウで実力を見せるソロ、モーガン、フラーも高度な演奏を繰り広げ、リズム陣も高いレベルでの演奏して、非常に聴き応えのある曲。 2曲目〈モーメンツ・ノーティス〉は、テーマを聴いてすぐハード・バップって感じ。コルトレーンのソロは、無理のない歌心を感じさせる。モーガンも難しいとされている曲で難なく吹きこなし実力を示す。4曲目のバラード〈アイム・オールド・ファッションド〉では、テナー、トロンボーン、ピアノ、トランペットと全員の情感あふれる演奏を聴くことができる。 |
マイルス・デイビス・アンド・ミルト・ジャクソン | |
![]() マイルス・デイヴィス・アンド・ ミルト・ジャクソン 商品詳細を見る Dr. Jackle youtube.com/watch?v... |
Recorded. August 5, 1955. Prestige. MILES DAVIS trumpet MILT JACKSON vibes JACKIE McLEAN alto sax (on 1,3) RAY BRYANT piano PERCY HEATH bass ARTHUR TAYLOR drums 1. Dr. Jackle 8:47 2. Bitty Ditty 6:31 3. Minor March 8:21 4. Changes 7:08 |
常に時代をリードし、“モダン・ジャズの帝王”としてジャズ界に君臨するマイルス・デイヴィスは、1950年代半ば以降はハード・バップの先頭に立ち、「ウォーキン」をはじめとする名作を次々と録音する。 この時期のマイルスは、MJQのメンバーをよく起用し、なかでもミルト・ジャクソンとは、かなり頻繁にレコーディングをおこなっている。有名なクリスマス・イブのケンカ・セッション「バグス・グルーブ」ではマイルスとぴたりと息のあったコラボレーションをみせたミルト・ジャクソンは、この作品では全4曲、ソロ・パートも十分にとってミルトの得意とするブルースをたっぷりと聴くことができる。 冒頭のジャッキー・マクリーン作の〈ドクター・ジャックル〉は、マイルスとマクリーンのユニゾンで始まり、ミルトのソロでの美しく歯切れのいい響きが、この曲に艶やかな雰囲気を与えている。その後のマイルスも軽やかに吹く音は本当にいい感じ、マクリーンも見事なプレイです。 2曲目〈ビッティ・ディッティ〉は、サド・ジョーンズの曲。ここではマイルスの演奏が素晴らしい。トランペットの音にも落ち着いた風格のようなものが出てきている。4曲目レイ・ブライアント作の〈チェンジズ〉、ゆったりと繰り広げられるミュートを吹くマイルスとミルトの2人のブルージーな演奏は、エンディングに相応しいリラックスした雰囲気が溢れた素晴らしいものです。 |
ザ・リトル・ジャイアント ‐ ジョニー・グリフィン | |
![]() ザ・リトル・ジャイアント 商品詳細を見る The Message youtube.com/watch?v... |
Recorded. August 4 and 5, 1959. Riverside. JOHNNY GRIFFIN tenor sax BLUE MITCHELL trumpet JULIAN PRIESTER trombone WYNTON KELLY piano SAM JONES bass ALBERT HEATH drums 1. Olive Refractions 4:15 2. The Message 7:20 3. Lonely One 4:07 4. 63rd Street Theme 7:30 5. Playmates 4:18 6. Venus and the Moon 6:29 |
典型的1950年代ハード・バップ・テナーの名手ジョニー・グリフィンは、ブルーノートのあとリバーサイドに移り、数多くのアルバムを吹き込んだが、この作品の豪快で力強い演奏によって人気を確立した。 体は小さいが、音はじつにパワフルなのがグリフィン、3管編成によるこの作品で、彼のバイタリティーに影響されたか、全員が張り切った演奏を繰り広げて、迫力あるサウンドを生み出しており、ハード・バップの神髄をきかせてくれる。なお、<ロンリー・ワン>のみグリフィンのピアノレス・トリオによる演奏である。 1曲目の〈オリーブ・リフラクションズ〉は、ノーマン・シモンズ(当時リバーサイドの音楽プロデューサーだったピアニスト、この作品に3曲を提供)の作曲。3管によるユニゾンで始まり、ソロはトランペット、テナー、トロンボーン、ピアノと続き、スピードがあってスリリングな展開がホーンの魅力を倍加させています。続く〈ザ・メッセージ〉もシモンズ作曲で、セクステットの分厚さを超えたビッグ・バンドのような音が鳴り響いている。迫力あるアンサンブルに、グリフィンのソロがバリバリ、ブルー・ミッチェルも吹きまくりと、各人熱気溢れるハード・バップな演奏を展開していく。 3曲目〈ロンリー・ワン〉は、テナーとベースによるスローな始まりに、ドラムがラテンビートをたたき出すと雰囲気は一変。グリフィンは急速調のリズムに乗って攻めてきます。その後ドラム・ソロと続く。6曲目シモンズ作曲〈ヴィーナスと月〉は、リズム陣の重厚なサウンドから始まり、美しいテーマ、ユニゾンが格好いい、3管フロント&リズム陣の覇気あふれるプレイが展開される魅力的な曲です。 |