ジャズ初心者にお勧め   





サキソフォン・コロッサス ‐ ソニー・ロリンズ  
 

サキソフォン・コロッサス
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St. Thomas
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Moritat
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Recorded. June 22, 1956. Prestige.
SONNY ROLLINS tenor sax
TOMMY FLANAGAN piano
DOUG WATKINS bass
MAX ROACH drums
1. St. Thomas   6:45
2. You Don't Know What Love Is   6:28
3. Strode Rode   5:13
4. Moritat   10:04
5. Blue 7   11:17 
この作品は、ソニー・ロリンズの最高傑作として、またジャズ史上不朽の名作として、現在に至るまでその名声は高く、広く聴き込まれてきた名盤。そして、ロリンズの即興演奏家としての実力をあますところなくとらえている点、ジャズの魅力をストレートに伝えている両点で、非常にすぐれた作品です。

一般的には難しいといわれるジャズという音楽を、とてもわかりやすく教えてくれる作品。名曲〈セント・トーマス〉と〈モリタート〉は、あまりにもよく知られていて、親しみやすい曲である。実際にこの作品を聴くことによって、ジャズ・ファンになった人は多いはず。又、ベテランのジャズ・ファンにとっても、ふと思い出して聴きたくなるような、そんな親しみを覚える作品である。 

1曲目のロリンズ作〈セント・トーマス〉は、特徴あるドラミングから始まるカリプソ調の明るい曲。マックス・ローチのドラム・ソロの後、ロリンズの軽快なアドリブが聴きどころ。以後のロリンズのレパートリーとなった曲です。続く〈ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ〉は、本作唯一のバラード。いきなりロリンズのテナーから始まり、ドラムスとベースがスローながら一定にリズムを刻み、そこへロリンズのソロは起伏に富んだ何と凄みのあるテナー。彼の出す音すべてを満足感を味わいながら聴くことができる。

4曲目の〈モリタート〉は、ミュージカル"三文オペラ"の挿入歌で知られるクルト・ワイルの名曲。落ち着いたリズムの中で、各人のソロが絶妙、ロリンズのテナーが持つトーンの豊かさ、トミー・フラナガンのピアノの艶やかな響きなどが堪能できる。最後のロリンズ作〈ブルー・セヴン〉は、ベース低音から始まり、ドラムスが加わり、テナーで軽く撫でるようにメロディーを奏でていく。テナー、ピアノのソロは自由自在な演奏を展開していき、ローチのソロでのテクニックは、キラリと光るものがある。


 


 プリーズ・リクエスト ‐ オスカー・ピーターソン
 
 
プリーズ・リクエスト
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People
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D & E
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Recorded. October 19 and 20, 1964. Verve.
OSCAR PETERSON piano
RAY BROWN bass
ED THIGPEN drums
1. Corcovado   2:52
2. Days Of Wine And Roses   2:42
3. My One And Only Love   5:06
4. People   3:33
5. Have You Met Miss Jones?   4:13
6. You Look Good To Me   4:52
7. Girl From Ipanema   3:55
8. D & E   5:13
9. Time And Again   4:40 
10. Goodbye J.D.   2:56
人気の高いスタンダード曲の〈酒とバラの日々〉、〈イパネマの娘〉をはじめ、当時ヒットしていた曲〈コルコヴァード〉、〈ピープル〉などが収録され、ポップス・ファンにも通じる選曲と、オスカー・ピーターソンの超絶テクニック、アドリブの歌い回しが、いまだ多くの新しいファンを生み出し続けている作品です。

この作品は、ほどよい長さで、ほどよくクールで、とても聴きやすい。ピーターソンのタッチは非常に軽快で、キラキラと光り輝いている演奏。骨太なレイ・ブラウンは、派手なベース・ソロはあまり弾きませんが、正確なリズムでドライブ感のあるベースを弾く職人芸を披露しています。選曲されたスタンダード・ナンバーが全編にわたって時にはエネルギッシュに、また情緒豊かに展開されている。

冒頭の〈コルコヴァード〉は、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲。小気味よく、スウィング感たっぷりに、明るく楽しいジャズの神髄を楽しめます。続くヘンリー・マンシーニ作曲で有名な〈酒とバラの日々〉、ピーターソンはとても明るくて軽やかでスピーディなすばらしい演奏。4曲目の〈ピープル〉は、くつろいだ雰囲気の中、楽しげに演奏。

6曲目の〈ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー〉は、ブラウンのアルコ(弓)が印象的。お洒落で美しい曲です。8曲目ジョン・ルイス作曲の〈D&E〉では、ピーターソンらしいノリの良さを出し、ジャズ・ピアノの醍醐味を存分に味わえる。そして、この作品は録音の良さからオーディオマニア向けの試聴用のディスクとしても有名です。 





クール・ストラッティン ‐ ソニー・クラーク  
 

クール・ストラッティン
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Cool Struttin'
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Deep Night
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Recorded. January 5, 1958. BlueNote.
SONNY CLARK piano
ART FARMER trumpet
JACKIE McLEAN alto sax
PAUL CHAMBERS bass
PHILLY JOE JONES drums
1. Cool Struttin'   9:21
2. Blue Minor   10:18
3. Sippin' At Bells   8:17
4. Deep Night   9:33
5. Royal Flush   9:00
6. Lover   7:03 
ソニー・クラークが本国アメリカではまったく評価されず、遠く離れた日本で熱狂的に支持された話は有名だが、その評価のもとになったのがこの作品。ハード・バップといった細かいワクを超えて、ジャズの名盤中の名盤として輝き続けている。

誰もがジャズとして楽しめる定番になったのも頷ける素晴らしい作品。ジャズをあまり聴いたことがない人にとっても取っ付き易いアルバムに違いない。全般的に覚え易いメロディと親しみやすいアレンジ、又メンバーの豪華さ、ジャケットのセンスなど、それぞれが魅力的であることがこの作品の価値を高めている。

クラーク自身が、メロディの動きから曲名をつけた。まるで誰かが気取って歩いている姿のようだという〈クール・ストラッティン〉。
ゆっくり目のブルースで、クラークの重く引きずるようなタッチと黒光りする音色、ジャッキー・マクリーンのアルトの熱っぽい演奏、アート・ファーマーの知的で抑制の利いたトランペットも演奏をピリリと引き締めている。ポール・チェンバースのソロ短いですが前半アルコ(弓)、後半ピチカート(指弾き)のウォーキングで演奏しています。

2曲目もクラークのオリジナル〈ブルー・マイナー〉、日本人好みのする哀愁を堪えたマイナー調のナンバー。マクリーンのアルトとファーマーのトランペットのブレンド効果がばっちりと効いたアンサンブル。4曲目〈ディープ・ナイト〉は、テーマからブラッシュを基調としたピアノ・トリオの演奏がしばらく続く、哀愁ただよう切ないメロディを、少々早めのテンポで、ファンキーにしたクラークの良さがよく出ている。マクリーンのソロも、ハスキーなトーンでブルージーに歌いまくっている。

 
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