寛ぎながら聴くジャズ   





ザ・ケリー・ダンサーズ ‐ ジョニー・グリフィン
 

ザ・ケリー・ダンサーズ
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Brack is The Color Of My True Love's Hair
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Recorded. December 21, 1961 and January 5, 1962. Riverside.
JOHNNY GRIFFIN tenor sax
BARRY HARRIS piano
RON CARTER bass
BEN RILEY drums
1. The Kerry Dancers   4:38
2. Brack is The Color Of My True Love's Hair   6:11
3. Green Grow The Rushes   4:34
4. The Londonderry Air   4:52
5. 25
1/2 Daze   4:39
6. Oh, Now I See   5:08
7. Hush-A-Bye   4:52
8. Ballard For Monsieur   3:32
ジョニー・グリフィンは、リバーサイドに10枚のリーダー作を吹込んでいる。その中でこの作品は、「リトル・ジャイアント」と並んで彼がリバーサイドに残した名盤の一つ。

豪快なプレイに定評のあるグリフィンは、1950年代半ばからセロニアス・モンクやアート・ブレイキーと共演してハード・バップ・テナーの名手として注目される。この作品では、バラードからミディアム・テンポの曲をしっとりした歌心を存分に堪能できる作品に仕上がっている。そして、音がいいので、ワン・ホーンとしては必聴です。

1曲目の〈ザ・ケリー・ダンサーズ〉は、アイルランド民謡。グリフィンのアドリブはすごい速吹きなるが、心地よい響き。ロン・カーターのウォーキング・ベースも好演。続く〈ブラック・イズ・ザ・カラー・オブ・マイ・トゥルー・ラヴズ・ヘアー〉は、アメリカ南部の民謡。メロディーを図太い音色で、じっくり抑えて吹くグリフィン、ソロに入るとだんだん本来のノリが出てきて、飛ばし気味になるが、あくまで抑えた渋い演奏。又バリー・ハリスの哀愁漂うピアノが凄くいいです。

4曲目〈ザ・ロンドンデリー・エア〉は、別名〈ダニー・ボーイ〉としても知られる名曲。グリフィンは、スローで温かな音色でじっくり聴かせます。そしてハリスの華麗なソロがこの曲の美しさを引き立てます。7曲目の〈ハッシャ・バイ〉は、その後グリフィンが何度も取り上げてる名曲。グリフィンはミドル・テンポで軽快に吹いていきます。ここでは程良く抑制がきいていて、親しみやすい演奏になっています。 


 


ワルツ・フォー・デビイ+4 ‐ ビル・エヴァンス  
 

ワルツ・フォー・デビイ
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My Foolish Heart
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Waltz For Debby
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Recorded. June 25, 1961. Riverside.
BILL EVANS piano
SCOTT LaFARO bass
PAUL MOTIAN drums
1. My Foolish Heart   4:56
2. Waltz For Debby (Take 2)   6:54
3. Detour Ahead (Take 2)   7:35
4. My Romance (Take 1)   7:11
5. Some Other Time   5:02
6. Milestones   6:37
7. Waltz For Debby (Take 1)   6:50
8. Detour Ahead (Take 1)   7:18
9. My Romance (Take 2)   7:11 
10. Porgy (I Loves You, Porgy)   5:58
白人ピアニストとして創造的な活動を展開していたビル・エバンスが、ニューヨークの名門ジャズクラブのウ"ィレッジ・ウ"ァンガードに出演し、歴史的ライブ録音を行った。その時の模様は「ワルツ・フォー・デビイ」と「サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」に分散収録されている。中でも「ワルツ・フォー・デビイ」のこの作品は、ヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライブの中でも最も有名な一枚に数えられるものです。

エバンスはライブ活動を通じて互いの音楽的信頼感を高めてきたスコット・ラファロとポール・モチアンという最強メンバーと共に、優れたインタープレイを繰り広げ、ピアノ・トリオの手本ともなる演奏を聴かせている。

スローなバラードの〈マイ・フーリッシュ・ハート〉からはじまり、静かに心にしみいるようなメロディー、優雅で美しいタッチ、緊張感溢れる、澄み切った演奏です。この作品唯一のオリジナル〈ワルツ・フォー・デビイ〉は、エバンスが姪のデビイに捧げられた曲。明るく優しさに溢れた旋律と、軽やかで楽しそうに弾くエバンス。ラファロのベース・ソロとつづき、モチアンの堅実なプレイで全体をしっかりと支えている。名曲〈マイ・ロマンス〉は、ミディアム・テンポで、明るい感じの曲。エバンスとラファロのソロ、モチアンの正確なリズムと、素晴らしい演奏です。





 ミルト・ジャクソン・カルテット
 
 
ミルト・ジャクソン・カルテット
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Moonray
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Recorded. May 20, 1955. Prestige.
MILT JACKSON vibes
HORACE SILVER piano
PERCY HEATH bass
CONNIE KAY drums
1. Wonder Why   5:22
2. My Funny Valentine   4:37
3. Moonray   5:02
4. The Neamess Of You   4:02
5. Stonewall   7:42
6. I Should Care   4:17 
モダン・ジャズ・ヴァイヴの第一人者、ミルト・ジャクソンが1955年、MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)のメンバー2人とホレス・シルバーを迎えて、本作品を録音する。MJQにおいては知的に抑制された音楽を聴かせるミルトも、いったんMJQを離れると、ブルージーな香りに満ちあふれたプレイに展開する。そして、ファンキーなシルバーが、ここでは抑制の効いた美しいピアノをバックで聴かせる。また、全6曲中、5曲がスタンダードで構成されており、全体的にリラックスした雰囲気のアルバムとなっています。

1曲目の<ワンダー・ホワイ>は、くつろいだ雰囲気のあるテーマで始まり、ソロに入ると、ミディアム・テンポで、ミルトが流れるような、スリリングなソロを奏でている。シルバーも躍動感のあるプレイを展開している。続く2曲目<マイ・ファニー・ヴァレンタイン>は、人気のあるスタンダード・バラード。哀愁漂う美しい旋律、ミルトならではの歌心あふれる世界に引き込まれてしまう名演。

3曲目<ムーンレイ>は、ミディアム・テンポで、ミルトのブルース・フィーリングに満ち溢れるヴァイヴと、シルバーのファンキーなタッチのピアノとが絶妙のコンビネーションで繰り広げる。この曲は、ミルトのソロが最高に素晴らしいです。4曲目の<ニアネス・オブ・ユー>は、スロー・テンポのバラード。豊かなメロディーに、ミルトの特徴でもあるヴァイヴが奏でる響き、この余韻が心地よさを引き出している。

5曲目<ストーンウォール>は、ミルトのオリジナル。やや速いテンポで、ミルトのヴァイヴはストレートにスイングしまくっている。シルバーも軽快な演奏を繰り広げる。6曲目の<アイ・シュッド・ケア>は、スタンダードのバラード。旋律豊かなテーマに、ミルトのヴァイヴが美しい響きを奏でる。


 


ソウルトレーン ‐ ジョン・コルトレーン  
 

ソウルトレーン
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I Want To Talk About You
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Recorded. February 7, 1958. Prestige.
JOHN COLTRANE tenor sax
RED GARLAND piano
PAUL CHAMBERS bass
ART TAYLOR drums
1. Good Bait   12:05
2. I Want To Talk About You   10:52
3. You Say You Care   6:13
4. Theme For Ermie   4:54
5. Russian Lullaby   5:31 
マイルス・デイヴィスのグループでの活動、そして、セロニアス・モンクとの共演などを経て、急成長を遂げたジョン・コルトレーンは、サックス奏者としてもっとも実力を発揮しやすいとされるワン・ホーン・カルテットを録音する。これがコルトレーンの代表作の一つであるこの作品。

1950年代のコルトレーンは厚くて重い音色が魅力的で、バラードにおいてはまったく文句のつけようがなく、ストレートでクールな、それでいてたとえようもない深みを感じさせる演奏は、自信に満ち堂々としたプレイを展開している。又レッド・ガーランドとのコンビネーションも絶妙で、全く非の打ちどころのない作品となっている。

1曲目のダット・ダメロン作の〈グッド・ベイト〉は、ミディアム・テンポのとてものんきなリラックス・ムードに溢れたテーマで始まり、この後、コルトレーンは凄まじいブロウで畳み掛け、音がカッコ良いハード・バップな演奏を聴かせてくれる。ガーランドも相変らず小気味の良いソロを展開する。ポール・チェンバースとアート・テイラーはリラックスしていて、堅実なサポートをしてくれています。

後にライブでよく演奏された〈アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー〉は、ビリー・エクスタイン作のスロー・ナンバー。出だしからコルトレーンのハイトーンが伸びやかに歌う。ノンビブラートで比較的ストレートにメロディを吹いていき、そのあとガーランドがシングル・トーンで美しいソロをとるなど、たっぷり10分を超えるバラード・プレイが楽しめる。アーヴィング・バーリン作の〈ロソアの子守唄〉では、ピアノのイントロから、一気にヒートアップしてドラムのハイ・テンポに乗ってコルトレーンが吹きまくります。ガーランドも高速プレイに展開していく白熱した演奏です。 





 ヴィレッジ・ヴァンガードの夜+2 ‐ ケニー・バレル
 
 
ヴィレッジ・ヴァンガードの夜
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All Night Long
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Recorded. September 16, 1959. Argo.
KENNY BURRELL guitar
RICHARD DAVIS bass
ROY HAYNES drums
1. All Night Long   5:17
2. Will You Still Be Mine   4:26
3. I'm A Fool To Want You   4:39
4. Trio   4:19
5. I Can't See For Lookin'   3:48
6. Cheek To Cheek   6:12
7. Broadway   4:21
8. Soft Winds   3:20
9. Just A‐Sittin' And A‐Rockin'   4:21 
10. Well, You Needn't   4:28 
ブルーノートやプレスティッジにはケニー・バレルの初期の名演が多数あり、そのあとバレルはヴァーヴ、ファンタジーに吹込みも名演を残している。このアルバムは、そのバレルがアーゴ(1965年カデットに改名)に残した名盤のひとつ。演奏は当時のレギュラー・トリオによるもので、気心の合ったメンバーとともにニューヨークのクラブ "ヴィレッジ・ヴァンガード "で、そのくつろいだ雰囲気と、ギター・トリオという小フォーマットの中で、思う存分のびのびと、演奏が繰り広げられる。

1曲目の〈オール・ナイト・ロング〉は、ミディアム・テンポで、バレルのブルージーなシングル・トーン・ソロとコード・プレイが織り込まれ、リラックスした心地良いサウンドが鳴り響く。途中バレルがリズミックなコード・プレイでジャズ・ギターの醍醐味が伝わってくる。2曲目〈ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン〉は、アップ・テンポで流れていき、ロイ・ヘインズのドラム、その軽妙なスティックさばきがバレルのギターの魅力にさらに磨きをかけている。

3曲目の〈アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー〉は、スロー・テンポのバラードですが、流れてくる曲はまるで日本の歌謡曲のように聴こえてくる。バレルは歌謡曲っぽくしっとりとギターで歌ってくれる。この曲は、晩年のビリー・ホリデイも歌っていました。元々はフランク・シナトラが自分自身が作詞して歌っていた曲です。6曲目の〈チーク・トゥ・チーク〉は、アップ・テンポの中、バレルは切れ味鋭い早弾きを繰り広げ、ヘインズのソロは、ドラミングのテクニックを披露する。

7曲目〈ブロードウェイ〉は、ミドルよりやや速いテンポで、バレルのギターはスイング感溢れるプレイを見せている。9曲目〈ジャスト・ア・シッティン・アンド・ア・ロッキン〉は、魅力的なテーマが流れ、ミディアム・テンポで、バレルは軽快なリズムに乗って、ファンキーに展開している。10曲目の〈ウェル・ユー・ニードント〉は、セロニアス・モンクの作曲。バレルは低音のギターでテーマを奏で、ソロは滑らかでストレートな演奏。

 
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