ピアノ・トリオ決定盤   




ザ・トリオ Vol.1 ‐ ハンプトン・ホーズ
 

ザ・トリオ Vol.1
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I Got Rhythm
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All The Things You Are
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Recorded. June 28, 1955. Contemporary.
HAMPTON HAWES piano
RED MITCHELL bass
CHUCK THOMPSON drums
1. I Got Rhythm   3:15
2. What is This Thing Called Love   4:44
3. Blues The Most   5:43
4. So In Love   3:54
5. Feelin' Fine   3:01
6. Hamp's Blues   3:38
7. Easy Living   4:47
8. All The Things You Are   4:57
9. These Foolish Things   4:47
10. Carioca   2:21
1953年から54年にかけて日本に駐屯し、除隊後、故郷のロサンゼルスに戻ったハンプトン・ホーズは、レッド・ミッチェルトとデュオを結成して活動を開始した。そして55年になってチャック・トンプソンを加え、グループはトリオに拡大される。このメンバーでウエスト・コースト・ジャズの本拠地ロサンゼルスにおいてコンテンポラリーへ吹込んだのが本作である。ホーズの実質的な原点となる作品。

1曲目の〈アイ・ガット・リズム〉は、ホーズが残した名演中の名演として知られている。高速で弾きまくり、カッ飛ぶような疾走感溢れる演奏。続くコール・ポーター作の〈恋とは何でしょう〉は、スローなテーマで入り、徐々にテンポが速くなり、やがてホーズはノリに乗っていき、スピード感溢れる演奏を展開していく。ここでも何気ないレッド・ミッチェルのウォーキングが素晴らしいです。

ノリのよさはあらゆるピアニストの中でも最高といわれるホーズ、ここでは、<ブルース・ザ・モスト>と〈オール・ザ・シングス・ユー・アー〉がノリのよさに、ドライブ感があって、ぐいぐい迫ってくるものがあり、タッチが明快で音がよく切れており、独特の心地よいリズム感を作り出し、まさにホーズの真骨頂であり、これがジャズの醍醐味といえる。4曲目のポーター作〈ソー・イン・ラブ〉ではホースのソロが味わえます。哀愁を感じさせるメロディーをムードたっぷりに盛り上げる。


 


アット・ザ・プレリュード ‐ レッド・ガーランド 
 
 
アット・ザ・プレリュード
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Satin Doll
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Recorded. October 2, 1959. Prestige.
RED GARLAND piano
JIMMY ROWSER bass
CHARLES "SPECS" WRIGHT drums
1. Satin Doll   6:11
2. Perdido   4:34
3. There Will Never Be Another You   6:35
4. Bye Bye Blackbird   4:58
5. Let Me See   5:53
6. Prelude Blues   5:38
7. Just Squeeze Me   5:38
8. One O'clock Jump   3;13 
意外にもライブ盤が少ないレッド・ガーランドが、ニューヨーク・ブロードウェイのサバー・クラブ、プレリュードでライブ録音する。このライブは、有名で聴きやすいスタンダードを中心に、ブルース、バラードとガーランドの魅力を存分に味わうことができる貴重な記録です。ちなみに、この時のライブの模様は「サテン・ドール」(Prestige7859)、「リル・ダーリン」(Status8314)、「レッド・ガーランド・ライヴ」(NewJazz8326)、計4枚のアルバムに分散収録されていました。 

2曲目デューク・エリントン楽団の定番曲〈パーディド〉を大胆にアレンジし、超スインギーに料理しています。テンポがとても良く、次々と繰り出すアドリブも素晴らしいです。4曲目の〈バイ・バイ・ブラックバード〉、この曲は、このライブの3年前にマイルス・デイヴィスの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」で一躍有名になった曲です。ガーランドもこの作品で力強い存在感のあるピアノを演奏しています。そしてこのライブでは、ガーランドにとっていいテンポで、リラックスしてやさしく楽しげにプレイ、心地よい演奏が聴かれます。

唯一ガーランドのオリジナル〈プレリュード・ブルース〉は、ガ^ランド独特の軽やかに玉を転がすような華麗なタッチ、糸を引くような粘っこいブルース演奏が楽しめる。まさにカクテルピアノ。8曲目カウント・ベーシー作曲の〈ワン・オクロック・ジャンプ〉、前半はピアノ音数を少なめに、後半はブロック・コードを交えて軽快にスイングする。その他の演奏も、どれもリラックスして聴ける快演ばかりです。





ザ・トリオ ‐ オスカー・ピーターソン  
 

ザ・トリオ
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Sometimes I'm Happy
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Recorded. July 28 and 29, 1961. Verve.
OSCAR PETERSON piano
RAY BROWN bass
ED THIGPEN drums
1. I've Never Been In Love Before   5:32
2. In the Wee Small Hours of the Morning   8:00
3. Chicago   8:50
4. The Night We Called It a Day   4:40
5. Sometimes I'm Happy   11:36
6. Whisper Not   5:43
7. Billy Boy   1:40 
オスカー・ピーターソンは、レイ・ブラウン、エド・シグペンと共に、1959年から65年までトリオを存続し、膨大な数のレコーディングをヴァーヴに残す。彼らは結成当初から高い人気を誇っていたが、アルバムを発表するたびに名声は増すばかりで、現在に至るまで史上最高のピアノ・トリオと多くの人々が評価している。

この作品は、シカゴのロンドン・ハウスでのライブ録音。スケールの大きい、華麗なテクニックで知られるピーターソンが、リラックスした雰囲気の中で豪快なアドリブが展開され、ピーターソンの迫力とドライブ感満点のソロが楽しめる。

1曲目の〈恋したことはない〉では、軽快なスイング感に、思わず体が揺れてしまうほど。華麗かつ豪快に弾きまくるピ^ターソンの魅力いっぱいの演奏。続く〈ウィー・スモール・アワーズ〉のバラードでは、ピーターソンのきらびやかなプレイに浸ることができます。一音一音の粒がそろった、コロコロと転がるようなピーターソンのピアノは美しく、とてもロマンティックです。

5曲目の〈サムタイムズ・アイム・ハッピー〉での演奏は、軽やかにスイングする右手のシングル・トーン、次々に湧き出るアドリブ・フレーズが聴く者を魅了する。ブラウンのベースも色彩感が豊かで、ドライブ感に溢れています。10分超の長尺曲ですが、ピーターソンの魅力を存分に味わうことができる。 


 


レイ・ブライアント・トリオ
 

レイ・ブライアント・トリオ
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Golden Earrings
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Recorded. April 5, 1957. Prestige.
RAY BRYANT piano
IKE ISAACS bass
SPECS WRIGHT drums
1. Golden Earrings   4:50
2. Angel Eyes   3:19
3. Blues Changes   4:58
4. Splittin'   4:37
5. Django   5:00
6. The Thrill is Gone   4:51
7. Daahoud   4:00
8. Sonar   3:21
レイ・ブライアントがトリオで、カーメン・マクレエのバックを務めていた1957年のアルバム。従ってベースのアイク・アイザックスとドラムスのスペック・ライトによるコンビネーションが実にきれいなタッチとスウィング感でわれわれを魅了してくれる。

シンプルなフレーズをソウルフルかつスウィンギに演奏することで人気の高いブライアントが、多くのミュージシャンや歌手が取り上げてきた<ゴールデン・イヤリングス>を始めとして、ここでは軽快にスウィングすることを心がけたプレイを展開する。

1曲目の〈ゴールデン・イヤリング〉は、ビクター・ヤングの作曲で、ペギー・リーがカバーして大ヒットした名曲。メロディアスで哀愁を帯びたメロディ。ソロが魅力的で、ブライアントの右手の軽やかでいながらエレガントなタッチ、左手の分厚い和声と重みのある低音。そしてベース、ドラム2人の堅実なサポートがあって、格調高い演奏を繰り広げている。続く〈エンジェル・アイズ〉は、マット・デニスの名曲をピアノ・ソロで演奏。優雅で上品なタッチ、ブライアントのスタンダード演奏の魅力がたっぷりつまっています。

4曲目〈スプリッティン〉は、ブライアントのオリジナル。かなり忙しいアップ・テンポな曲で、メリハリをつけて軽快にスイングする。7曲目の〈ダホード〉は、クルフォード・ブラウンの名曲。ドライブ感のある演奏で、アイザックスもライトもノリノリで、心地良くスイングする。





 ケリー・アット・ミッドナイト ‐ ウィントン・ケリー
 
 
ケリー・アット・ミッドナイト
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Temperance
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Recorded. April 27, 1960. VeeJay.
WYNTON KELLY piano
PAUL CHAMBERS bass
PHILLY JOE JONES drums
1. Temperance   7:31
2. Wierd Lullabye   7:13
3. On Stage   5:14
4. Skatin'   5:50
5. Pot Luck   6:48 
ウィントン・ケリーの絶頂期は、1958年のリバーサイドの録音から、59年にマイルス・デイヴィス・バンドに加入し、63年まで在籍するまでの60年前後あたりです。この時期のケリーは、マイルスのアルバムだけでなく、リーダー作を含めて実に多くのセッションに参加し、名演を残しています。

ケリー、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズという黄金トリオの顔合わせたヴィー・ジェイのセッションは、50年代を代表する屈指のリズム・マン達が、彼等の最盛期において共演した貴重な作品として、今もなお、ファンを充分に魅了するだけの確かな内容を持っている。

冒頭の〈テンペランス〉は、ケリーの軽快なテンポのオリジナル。フィリー・ジョーのブラシが冴え渡るテーマ、スインギーで歌いまくりのケリー、飛び跳ねるようなベース・ソロ、"控えめ"という曲名とは違い3人がスイングしまくっています。3曲目〈オン・ステージ〉は、ケリ−にぴったりの軽快な曲です。歯切れのよいブルージーなピアノが存分に味わえます。フィリー・ジョーとチェンバースのリズムが重厚で、特にドラムが今にも爆発しそうなパワーを秘めてます。

4曲目の〈スケーティン〉、5曲目の〈ポットラック〉などのミディアム・スローからミディアムでのブルース系の曲、ケリーの小気味よいプレイが堪能でき、ファンキーな感覚を満喫することの出来る名演となっている。また、ドラムのフィリー・ジョーの巧みなスティックさばきが際だち、ケリーのリズミックなピアノと相俟って、見事な疾走感、スイング感を生み出している。

 
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