伝説的ライブの名盤  




エリック・ドルフィー・アット・ザ・ファイブ・スポット Vol.1
 

アット・ザ・ファイヴ・スポット Vol.1
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Bee Vamp
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Recorded. July 16, 1961. NewJazz.
ERIC DOLPHY alto sax and bass clarinet
BOOKER LITTLE trumpet
MAL WALDRON piano
RICHARD DAVIS bass
ED BLACKWELL drums
1. Fire Waltz   13:11
2. Bee Vamp   12:11
3. The Prophet   21:06
4. Bee Vamp (alternate take)   9:25
モダン・ジャズ史に重要な足跡を残しているエリック・ドルフィーだが、実質的な活動歴は長くない。1958年、チコ・ハミルトン・グループで名をなし、64年に名作「ラスト・デイト」を残して客死するまでの数年間である。その間、60年代初頭チャールズ・ミンガス、オーネット・コールマンらと共演して自己のスタイルを確立する。

本作品は、ニューヨークのファイブ・スポットで、エリック・ドルフィーとブッカー・リトルによる歴史的ライブ・セッションである。ここには恐ろしいほどの切迫感と緊張感が全編にみなぎっている。そして、マル・ウォルドロンの独特のリズミックな演奏、ドルフィーのバスクラのプレイも聴き逃せない。

マル・ウォルドロン作の〈ファイアー・ワルツ〉は、印象的なテーマではじまり、ドルフィーのアルトが唸り声を鳴り響かせ、フリーな演奏を展開していき、続くリトルも、マルも力のこもった独創的なソロを演奏。ブッカー・リトル作曲の〈ビー・バンプ〉は、アップ・テンポで4ビートと変拍子が交錯して進む。最大の聴きどころドルフィーのバスクラ、リズム陣に追い立てられるように疾駆する演奏は素晴らしい。マルもドルフィー同様最高のプレイを聴かせている。

3曲目がドルフィー作曲〈ザ・プロフェット〉、ドルフィーのソロは高めの音を中心に使って、壮絶な苦しみからすべて吐き出すかのようなプレイ。リトル、マルとも力強いが落ち着いた演奏。 


 


ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード ‐ ジョン・コルトレーン
 

ライブ・アット・ザ・ヴィ
レッジ・ヴァンガード
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Spiritual
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Recorded. November 2 and 3, 1961. Impulse.
JOHN COLTRANE tenor sax and soprano sax
ERIC DOLPHY bass clarinet (only on Spiritual)
McCOY TYNER piano
REGGIE WORKMAN bass
JIMMY GARRISON bass (only on Chsin' The Trane)
ELVIN JONES drums
1. Spiritual   13:30
2. Softly As in A Morning Sunrise   6:29
3. Chasin' The Trane   15:55
1961年、アトランティックからジョン・コルトレーンが、新興レーベルのインパルスに移籍。同レーベルでの初吹き込みは、「アフリカ・ブラス」(5〜6月録音)、次いで11月には"ヴィレッジ・ヴァンガード"でのライブを収録。このライブ・セッションは、コルトレーンの音楽的発展を聴く上で非常に重要かつ貴重なドキュメントとなった。

グループに参加したエリック・ドルフィーの影響で、コルトレーンはモード・ジャズの更に先を行くようなフリー・ジャズ的要素もここでは示している。一歩一歩前人未到のレベルに到達していくコルトレーンの姿を忠実に記録した作品である。

1曲目の〈スピリチュアル〉は、タイトルそのままに黒人霊歌的なテーマをコルトレーンのテナーとドルフィーのバスクラの演奏で始まり、ソロは切々と鳴り響くテナーに続き、革新的な音楽性であるドルフィーのバスクラ、ここでは決して荒々しいプレイではなく、静かなプレイの中に何か熱さを込めているかのようです。続くマッコイ・タイナーのソロと続き、コルトレーンがソプラノに持ち替えて再登場、終りのテーマもソプラノで演奏する。

2曲目のスタンダード〈朝日の如くさわやかに〉は、エルビン・ジョーンズのブラシをバックにしたマッコイのピアノ・トリオで静かに始まり、マッコイの切れの良いピアノ、後半に乱入してくる火の玉のようなコルトレーンのソプラノは聴き応えのある演奏。3曲目の〈チェイシン・ザ・トレーン〉は、マッコイが抜けたピアノ・レス・トリオでの演奏で、15分以上に渡って、最初から最後までコルトレーンがテナーを吹きまくる熱い熱い演奏。





バードランドの夜 Vol.1 ‐ アート・ブレイキー 
 
 
バードランドの夜 Vol.1
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Split Kick
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Recorded. February 21, 1954. BlueNote.
ART BLAKEY drums
CLIFFORD BROWN trumpet
LOU DONALDSON alto sax
HORACE SILVER piano
CURLY RUSSELL bass
1. Announcement by Pee Wee Marquette   0:58
2. Split Kick   8:44
3. Once in a While   5:18
4. Quicksilver   6:58
5. A Night in Tunisia   9:20
6. Mayreh   6:18
7. Wee-Dot (Alternate Take)   6:53
8. Blues   8:37
 
ジャズ・メッセンジャーズ誕生前の録音で、いわゆるハード・バップの夜明けを捉えた歴史的ドキュメントということもできる名盤中の名盤。アート・ブレイキーとホレス・シルバーのコラボレーションの中でももっとも過激で、典型的なハード・バップに共通するサウンドが、ここでは全編にわたって展開されている。又いろいろな意味で、ジャズの歴史におけるターニング・ポイントとなったライブ盤です。

冒頭、ビー・ウィー・マーケットのMCに続いて繰り出される2曲目シルバー作曲〈スプリット・キック〉は、アップ・テンポのリズムに、クリフォード・ブラウンとルー・ドナルドソンの2管が親しみやすいテーマを奏でる。そのままソロに入り、ドナルドソンの華麗なアルトに続き、当時破竹の勢いだったブラウンがブレイキーの挑発ドラムにプッシュされて猛然と吹きまくる展開、続くシルバーのドライブ感溢れるソロ、ブレイキーの豪快に冴えわたるプレイでテーマへ戻っていく。

3曲目スタンダード〈ワンス・イン・ア・ホワイル〉は、ブラウンのワン・ホーンでのバラード。ブラウンの温かみのある歌心あふれた魅力的な演奏。4曲目〈クイックシルバー〉は、シルバーの作曲。威勢のいいテーマから、急テンポで駆け抜けるように曲が進んでいき、ドナルドソンの滑らかなソロ、ブラウンの切れ味鋭いソロ、そして、シルバーのアグレッシブなソロへと展開して行く。

5曲目〈チュニジアの夜〉は、ディジー・ガレスピーの作曲。ジャズ・メッセンジャーズ時代にもブレイキーのドラムをフィーチャーする曲として有名ですが、このライブでは、非常にオーソドックスなアレンジで演奏しています。ドナルドソンもここでは思い切りチャーリー・パーカーになりきって吹きまくっている。


 


 バードランドの夜 Vol.2 ‐ アート・ブレイキー
 
 
バードランドの夜 Vol.2
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Wee-Dot
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Recorded. February 21, 1954. BlueNote.
ART BLAKEY drums
CLIFFORD BROWN trumpet
LOU DONALDSON alto sax
HORACE SILVER piano
CURLY RUSSELL bass
1. Wee-Dot   7:16
2. If I Had You   3:30
3. Quicksilver (Alternate)   8:45
4. Now's The Time   9:00
5. Confirmation   9:10
6. The Way You Look Tonight   10:14
7. Lou's Blues   4:00 
ジャズ・メッセンジャーズ結成の原型となったクインテットによるハード・バップ誕生の夜を記録した歴史的ドキュメント第2集。この夜のクインテットの演奏は、ビ・バップをさらに発展させたハード・バップと呼ばれる新時代のジャズのきっかけを生み出すものとして高く評価された。アート・ブレイキー以下のメンバー全員が、いつもの彼らとは違っていた。何かに取りつかれたかのように、メンバーは鬼気迫る演奏を披露する。又このライブはいい音で収録されていて、MCや観客の拍手などかなりクリアに聴こえて臨場感十分です。

1曲目〈ウィー・ドット〉は、アップ・テンポのブルース・ナンバー。ブレイキーの叩きまくリで始まり、チャーリー・パーカー直系のアルト奏者ルー・ドナルドソンと、クリフォード・ブラウンが、しっかりとしたハイトーンとスピーディなメロディラインでガンガン吹きまくる。そして、ホレス・シルバーがテンポよくリズムを刻み、疾走感溢れる強力なピアノ演奏が光る。続く2曲目の〈イフ・アイ・ハド・ユー〉は、ドナルドソンをフィーチャーしたバラード。落ち着いたムードあふれる演奏。

4曲目〈ナウズ・ザ・タイム〉は、パーカー作曲の名ブルース。ゆったりまろやかな雰囲気で、リラックスした演奏。続く5曲目もパーカー作曲〈コンファメーション〉、ブラウンのトランペットは豊かな響き、艶やかで伸びのあるドナルドソンのソロ、シルバーの躍動感あふれるプレイが繰り広げられている。テーマの後、例によってバードランドの子守唄が流れる。

6曲目〈今宵の君は〉は、速いテンポで流れ、ブラウンはやや抑え気味の柔軟性のあるプレイ、ドナルドソンはスピード感に溢れ、アルトが軽快に響きわたる。シルバーの迫力あるソロの後、ブレイキーの熱いソロと続く。 





ハーフノートのウェス・モンゴメリーウィントン・ケリー
 

ハーフノートのウエス・モンゴメリーと
ウィントン・ケリー
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No Blues
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Recorded. June 24, September 22, 1965. Verve.
WES MONTGOMERY guitar
WYNTON KELLY piano
PAUL CHAMBERS bass
JIMMY COBB drums
1. No Blues   12:57
2. If You Could See Me Now   8:21
3. Unit 7   6:45
4. Four On Six   6:44
5. What's New   6:11
モダン・ギターのパイオニア、チャーリー・クリスチャンの影響を受けながらもオリジナルの奏法を確立して、あらゆるジャンルの多くのギタリストらに影響を与えたウエス・モンゴメリーは、左手での弦の押さえ方によってオクターブ差のある音をユニゾンで重ねていく"オクターブ奏法"を生み出した。この奏法を用いた緊迫感溢れる演奏を聴く事ができるのがこの作品である。

一方、ウィントン・ケリーはもともとブルース・フィーリング溢れるプレイが持味で、この作品ではウエスに触発されたように本気まる出しの熱いプレイを聴く事が出来る。ウエスとウィントンの卓越した技術と完成度の高い演奏に驚かされる。なお、3曲目以降はスタジオ録音である。

最初の〈ノー・ブルース〉は、ウエスのソロ6分という大きくフィーチャーした軽快なブルース・ナンバー。ウエスは畳み掛けるようなシングル・トーンによるリフをしつこいぐらい繰り返して演奏し、そして、オクターブ奏法に切り替えてスリリングなソロを展開していく凄まじいプレイの連続。ケリーもウエス同じくしつこいようなリフを、珠を転がすようなタッチで弾いています。

2曲目の〈もし逢えたら〉は、美しいロマンチックなバラード。ケリーの繊細な美しい演奏。しっとりした中にもウエスは恐ろしいまでのテクニックを詰め込み、精緻を極めたソロを展開しています。4曲目の定番曲〈フォー・オン・シックス〉、こちらはスタジオ録音ですが、ノリノリの白熱した演奏です。

 
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