ジャズ・ギターの傑作   





インクレディブル・ジャズ・ギター ‐ ウェス・モンゴメリー  
 

インクレディブル・ジャズ・ギター
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FourOn Six
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Gone With The Wind
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Recorded. January 26 and 28, 1960. Riverside.
WES MONTGOMERY guitar
TOMMY FLANAGAN piano
PERCY HEATH bass
ALBERT HEATH drums
1. Airegin   4:26
2. D-Natural Blues   5:21
3. Polka Dots And Moonbeams   4:41
4. Four On Six   6:13
5. West Coast Blues   7:24
6. In Your Own Sweet Way   4:52
7. Mister Walker   4:31
8. Gone With The Wind   6:17 
チャーリー・クリスチャン、タル・ファーロウとともに3大ギタリストの一人であるウェス・モンゴメリーは、リバーサイドで数多くのすぐれた作品を残しているが、それらのなかにあって、ひときわ輝いているのが、ウェス・モンゴメリーの最高傑作であるこの作品である。ここではウェスの魅力が集約されているのである。

ウェスのスタイルの特徴は、他のギタリストよりもスケールの大きい、ダイナミックなギター奏法にある。それは、オクターブ奏法というひとつの弦でメロディを弾くのではなく、1オクターブはなれた2つ音を同時に弾いて、ユニゾンによるメロディを綴るというもので、この驚異的なテクニックがウェスの音楽表現のための手段として欠かせないものになっているということである。

1曲目〈エアジン〉は、ソニー・ロリンズが作曲したジャズ・スタンダード。ウェスがアップ・テンポの曲を、シングル・トーンからオクターブ奏法へ駆使しての演奏。ウェスのオリジナル〈D-ナチュラル・ブルース〉は、フラナガンの落ち着いたソロで始まり、ウェスが自由自在にプレイするスロー・テンポのブルース・ナンバー。〈ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス〉の美しいバラード・ナンバーに続いて、再びウェス作曲〈フォア・オン・シックス〉は、ウェスの高度なテクニックで表現した演奏で非常に聴き応えのある曲です。

三度ウェスの曲、〈ウエスト・コースト・ブルース〉、ミディアム・テンポのブルースで、ウェスは比較的長いソロをとり、ウェス・モンゴメリー・スタイルに乗ったアドリブを演奏していく。7曲目の〈ミスター・ウォーカー〉もウェスのオリジナル。この作品の中では一番聴きやすい曲で、ラテンのリズムに乗ってウェスのオクターブ奏法といい、フラナガンも小気味よくスイングして、最高の素晴らしい演奏です。 





グリーン・ストリート ‐ グラント・グリーン  
 

グリーン・ストリート
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No.1 Green Street
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Recorded. April 1, 1961. BlueNote.
GRANT GREEN guitar
BEN TUCKER bass
DAVE BAILEY drums
1. No.1 Green Street   7:18
2. Round About Midnight   7:02
3. Grant's Dimensions   7:54
4. Green With Envy   9:44
5. Alone Together   7:14 
1960年代、ブルーノート・レーベルが積極的に売り出しをはかったグラント・グリーンの初期の代表作。グリーンの演奏は、テーマの部分はもちろん、アドリブ・パートに於いてもいわゆるコードをほとんど奏さない。あくまでもシングル・トーンを使って、ホーン楽器のようにメロディ・ラインを綴りあげてゆくのである。

又グリーンの音楽はファンキー・ジャズの楽しさに溢れており、そのグリーン独特の甘い音色と共に多くのファンを魅了しているのである。特にこの作品は、ベース、ドラムスだけを従えたシンプルなトリオ編成ということもあって、ユニークな彼の個性を充分に味わうことが出来るのである。

グリーンのオリジナル〈No.1グリーン・ストリート〉は、シンプルなブルース・テーマのあと、シングル・トーンでメロディックなアドリブを繰り広げてゆき、ソロが進むにつれて、同一フレーズを反復させる。又ベースのベン・タッカーのソロにもグリーンのギターが絡みつくなどが展開されていく。続くセロニアス・モンクの超有名な〈ラウンド・アバウト・ミッドナイト〉は、バラード調のテーマから、アドリブに入るとデイヴ・ベイリーのブラッシュが、倍のテンポを刻みはじめる。あくまでも原曲の味を生かしながら、情感豊かにフレーズを綴ってゆくグリーンのプレイは素晴らしい。

4曲目の〈嫉妬の炎〉もグリーンのオリジナル。魅力的なテーマのあと、シングル・トーンによるグリーンの長いアドリブ・ソロが続く。トリオの3人が一体となって、快調なプレイが続けられてゆく。スタンダードの〈アローン・トゥゲザー〉では、ブルージーなイントロに導かれて、お馴染みのメロディーが奏でられる。パートでは原メロディーをところどころに散りばめながら、美しいフレーズを綴りあげてゆく。


 


ケニー・バレルジョン・コルトレーン  
 

ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン
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I Never Knew
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Recorded. March 7, 1958. NewJazz .
KENNY BURRELL guitar
JOHN COLTRANE tenor sax
TOMMY FLANAGAN piano
PAUL CHAMBERS bass
JIMMY COBB drums
1. Freight Trane   7:19
2. I Never Knew   7:04
3. LYRESTO   5:41
4. Why Was I Born?   3:12
5. Big Paul   14:04
当時プレスティッジでは数々のオールスター・セッションが組まれていた。急速に台頭してきたケニー・バレルとジョン・コルトレーン、ギターとテナーの組み合わせ、この時代にホーン奏者と対等に渡り合えるギタリストはごく少数で、この作品では、両者が対等の立場でインタープレイを繰り広げている。バレルのブルース・フィーリングあふれるシングル・トーンはリズム楽器というよりホーン楽器的な魅力を前面に打ち出している。

ハード・バップ全盛期にあって、ケニー・バレルは既に自己のスタイルを完成していた。バレルの演奏は切れ味の鋭い硬質な音色と、シングル・ノートとコード・プレイのマッチングの巧みさに特色がある。この作品は、コルトレーンの厚くて重い音色がバレルの硬質なトーンと見事にマッチして生まれた名盤である。

冒頭のトミー・フラナガンのオリジナル〈フレイト・トレイン〉は、ミディアム・テンポで、テーマのギターとテナー・サックスのユニゾン演奏のあと、コルトレーンはハードでパワフルなテナー・サックスを奏でて、一方のバレルはウォームな音色でありながら、非常にブルージーなプレイをしてゆく。

4曲目のスタンダード・ナンバー〈ホワイ・ワズ・アイ・ボーン〉は、バレルとコルトレーンのデュオで演奏されるバラード。コルトレーンはメロディをあまり崩さずストレートに演奏し、バレルも暖かいトーンでそれに続く、実に美しい。フラナガンがポール・チェンバースに捧げた曲〈ビッグ・ポール〉は、まずフラナガンのハード・バップなトリオ演奏で始まり、コルトレーンの自信に満ち溢れた演奏、続くバレルもお得意のフレーズをちりばめながらブルーなソロを展開する。 





 タル ‐ タル・ファーロウ
 
 
タル
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Isn't It Romantic
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Yesterdays
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Recorded. March, 1956. Verve.
TAL FARLOW guitar
EDDIE COSTA piano
VINNIE BURKE bass
1. Isn't It Romantic   10:09
2. There Is No Greater Love   3:56
3. How About You   6:02
4. Anything Goes   5:10
5. Yesterdays   5:51
6. You Don't Know What Love Is   4:21
7. Chuckles   4:57
8. Broadway   6:19 
ジャズ・ギター界でひときわ異彩を放つスタイリスト、タル・ファーロウが鬼才エディ・コスタと名手ヴィニー・バークとのトリオで、1955年から58年までニューヨークのクラブ "コンポーザー"を拠点に活動する中、本作品を録音する。

タルの魅力は中低音の力強い短音による独特のドライブ感、オクトバスと呼ばれる大きな手で難しいフレーズをこともなげに演奏するなど、超絶テクニックを有しています。それらが存分に堪能できるのが本作品です。全8曲、スタンダードでの演奏です。選曲のよさもあって現在も古さを感じなく楽しめる音楽。

1曲目のくつろぎムード漂う〈ロマンチックじゃない?〉は、タルの暖かく野太い中低音が味わえ、コスタの快適なスイングなプレイと、バークの堅実なウォーキングが見事に絡みあい、実に味わい深い演奏が楽しめる。続く〈ゼア・イズ・ノー・グレイター・ラブ〉は、ミドル・テンポの、タルの爽やかな心地よい演奏です。

5曲目〈イエスタデイズ〉の演奏は圧巻。タルの信じられないようなギターの早弾きを展開してゆき、この後、ピアノのコスタのユニークな低音叩き付けソロを演奏、これはドラムレスならではのスウィング感、タルと対等な早弾きを聴かせてくれる。バークも軽快なリズムでウォーキング・ベースを披露。7曲目〈チャックルズ〉は、クラーク・テリーの作曲。速いテンポで、コスタの流麗なソロ、タルのスピード感溢れるプレイ、バークの堅実なベースと展開していく。

 
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